科学

【研究】週に10〜149分の運動で、インフルエンザ等のリスクが大幅低減【要約】

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これまでの研究でも、運動をすることによって筋肉の維持、向上だけでなく健康に対しても有益な効果があることが示されています。

 

いつもの生活の中にほんの少しだけでも運動を取り入れるだけ、目には見えない大きなメリットが得られることが分かってきました。

 

今回は、そんなちょっとの運動と病気のリスクについてのお話です。

 

参考記事)

Doing This Type of Exercise Just 10 Minutes a Week Could Reduce Risk of Flu Death(2023/05/25)

 

参考研究)

Leisure-time physical activity and mortality from influenza and pneumonia: a cohort study of 577 909 US adults(2023/05)

 
 

 

運動とインフルエンザのリスク

 

過去の研究では、健康効果を得るためには、必ずしも長時間の運動が必要であるわけではないことが示されています。

 

最新の研究では、週に10分間運動するだけでも、インフルエンザや肺炎のリスクが大幅に低減されることが判明しました。

 

アメリカの成人577,909人を対象に、9年以上の間、運動習慣とインフルエンザ及び肺炎に関する追跡調査を行いました。

 

その結果、運動のガイドラインを満たしている参加者とそうでない参加者を比較すると、前者は、インフルエンザおよび肺炎による死亡リスクが48%も低かったことが分かりました。

 

内訳のまとめは以下の様になっています。

【有酸素運動】

・週10~149分▶21%減

・週150~300分▶14%減

・週301~600分▶50%減

・週600分以上▶41%減

有酸素運動によるリスク低減(参考研究より)

 

 

【筋力トレーニング】

・週2回▶47%減

・週7回以上▶41%減

筋力トレーニングによるリスク低減(参考研究より)

  

また過去20年間のデータと比較しても、10分でも運動することでインフルエンザや肺炎で死亡するリスクが減ることが分かりました。

 

週に600分を超えると、それ以上の効果は見られず、効果が鈍化することも示唆されました。

 

筋力トレーニングも同様に、週に2回が最も死亡リスクが低く、週に7回以上になると逆に死亡リスクが高まることが分かりました。

 

この調査は、参加者が記入したアンケートに基づいていることが注意点ではありますが、運動とインフルエンザや肺炎による死亡リスクとの関連性を示唆するものであり、他の研究結果と比較検討することが可能です。

 

また、年齢、性別、BMI値、その他健康状態など様々な要因によって推奨される一週間の運動指針を、どの程度守れるかには大きな差があることも分かりました。

 

参加者の半分(50.5%)は、有酸素運動も筋力トレーニングも一週間の目標値を達成することができていませんでした。

 

この研究から得られるた重要な点は、多くの人が活動的になるためにはもっと努力必要があること、そして一週間に数分でも運動することで大きな違いが生まれる可能性が大きいということです。

 

 

まとめ

・週に10~149分の有酸素運動で、インフルエンザや肺炎のリスクが大幅に低減する

・週に2回の筋力トレーニングでインフルエンザ肺炎のリスクが大幅に低減する

・逆にやりすぎはリスクの鈍化またはリスクの増加を生む

・週に少しだけでも運動をすると良い

 

以上、運動とインフルエンザについての研究まとめでした。

 

一週間の間にほんの少しだけでも運動をするということが、健康を維持する上で大きなメリットになり得るということですね。

  

筋肉の左や身体のパフォーマンスの向上のために運動をすることも多いですが、そういう目的以外に健康の維持という点でもかなり大切であることが分かります。

 

体を動かすことは、健康的なリスクだけでなく、精神的に上向きになるようなメリットもあるので、今後も続けていく理由になりそうです。

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