ChatGPTによる要約やプロンプトによるイメージ生成、金融相場の予測など、AIを活用した技術が日に日に身近に感じるようになってきた今日この頃。
AIが得意とする“膨大なデータから予測をする”という能力は、人間による作業では現実的ではないデータ分析などにもってこいです。
今回のテーマは、そんなAI予測の活用例の一つとして研究された“人間の人生”についての話です。
参考記事)
・This New AI Predicts Your Life. Then It Predicts Your Death.(2024/03/25)
参考研究)
・Using sequences of life-events to predict human lives(2023/12/18)
AIによる人生の予測
デンマークの研究者は、データバンクに登録されている何百万人もの人々の情報と、人工知能を活用して、それぞれの個人が送るであろう人生を予測することが可能であることを発表しました。
記録されているデータには、健康、教育、職業、収入、住所、労働時間が含まれていました。
デンマーク工科大学の教授であるSune Lehmann氏は、「AIの活用によって、生殖能力や肥満、誰がいつごろ癌になるか、またはならないかなど人生での健康状態を予測可能である。また、あなたが多くのお金を稼げるかどうかも予測することができる」と述べています。。
このアルゴリズムは、ChatGPTと同様のプロセスを使用し、出生、教育、社会的福利厚生、さらには仕事のスケジュールなど、生活に影響を与える変数をから分析されます。
600万人のデータに基づいた“死”の予測
研究のようなライフプランを予測するAIは、life2vecというモデルが基礎となっています。
これはデンマークの公式統計機関によって収集されたおよそ600万人のデンマーク人の匿名データを学習させたものであり、質問に答える形で情報を入力していくと人生の結果を予測することができます。
過去のデータから死を予測することに関する的中率は78%ほどで、人が別の都市や国に移動するかどうかについて予測すると73%程度の的中率だったそうです。
Lehmann氏は「我々は早期死亡率に注目している。そのため、35歳から65歳までの非常に若い集団を対象に研究を進めている。現在、2008年から2016年までの8年間のデータ基づき、その後4年間での死亡率の予測を試みている」と述べています。
研究者によると、通常であれば死亡者数が少ないこの年齢層に焦点を当てることで、アルゴリズムの信頼性を検証することができると考えおり、その的中率も高いだろうと自信を持って答えています。
このツールを研究環境以外で使用するには更なる研究が必要です。
Lehmann氏らは、「長期的な成果を見出すとともに、社会的つながりが生活と健康に与える影響についても探求したい」と述べています。。
この研究は、nature computational scienceにて詳細を確認することができます。
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