ウコン特有の成分であるクルクミン。
“ウコンの力”に代表されるように、アルコールの代謝を助けるとして、二日酔い予防などに効果的とされています。
このクルクミンが、体へ代謝だけでなくAGEs(最終糖化反応生成物)の形成やAGEsそのものにどんな影響があるのかを調査した文献があったのでまとめてみます。
AGEsの前提知識に関する記事はコチラ↓
今回参考にするのは“Curcumin against advanced glycation end products (AGEs) and AGEs-induced detrimental agents”という文献です。
この研究はGooglescholar やScienceDirectなど、論文のデータベースからクルクミンとAGEsに関係する記事をまとめています。
研究と結論
研究した文献の規模としては…。
・クルクミンとAGEsの形成に関係する記事が103件(内19記事を参考文献として選択)
・クルクミンとAGEsがもたらす影響に関係する記事が126件(内18件を参考として選択)
その結果、
“クルクミンはAGEsの形成およびAGEsからくる人体への障害を阻害することが考えられる。”
と結論付けられています。
クルクミンの効果
その他のクルクミンの効果については、抗炎症作用や抗がん作用などサイト上で調べれば色々出てきます。
せっかくなのでクルクミンにフォーカスした論文などから効果をまとめてみたいと思います。
・肌への抗菌作用
→マウス経口投与、乾癬への優れた治療効果を確認
Curcumin shows excellent therapeutic effect on psoriasis in mouse model
・脳機能の改善
→マウスに注射、脳の損傷と神経機能の改善を確認
・紫外線(UVB)対策
→ヘアレスマウスにおいて、抗炎症、抗酸化、抗発癌、抗感染作用を確認
Protective Effect of Curcumin Against Acute Ultraviolet B Irradiation‐induced Photo‐damage
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(ただしヒトではない動物での実験なので、完全に効果が同じとは限らない部分はご注意を)
クルクミンの推奨用量
1日に摂取可能なクルクミンの量は、国連の食糧農業機関や世界保健機関により、体重1㎏に対して、0mg~3mgを推奨しているようです。
体重が60kg程度の場合、1日の目安摂取量は約180mgが限度ということですね。
ちなみにクルクミンが多く含まれるのは“秋ウコン”です。
秋ウコン1つに1.1%~4.8%がクルクミンが含まれているようで、育った場所などによって幅があるようです。
もし摂取するとしたら、クルクミンの含有量の真ん中の値(2.5%)を基準に計算すると…。
7.2gのウコンであれば、180mg程度のクルクミンが摂取できるようですね。
ちなみにクルクミンは体に蓄積されにくい物質なので、カカオポリフェノールのように、時間を空けてこまめに摂取するといいそうです。
まとめ
・クルクミン(ウコン)はAGEsの形成を阻害する
・クルクミンはAGEsによる影響を軽減する
・クルクミンは脳内を含む体の炎症を改善する
※それぞれマウスやラットでの実験結果で得た“可能性”であることはご注意ください
・摂取する際は、秋ウコン180mgの範囲でこまめに…を推奨
このクルクミン、早い話凄まじい抗菌作用があるということですね。
ただ、ヒトにとってはクルクミンの吸収効率があまり良くないと言われており、効果を疑問視している見方もあります。
そのため粒子をさらに細かい状態にして吸収効率を上げる研究なども盛んに行われています。
長い歴史の中でウコンは健康にひと役買っている事実もあるので、効果を真っ向から否定できないこともまた事実です。
まだ作用機構が完全に解明されているワケではないので、もしかしたらもっと凄い作用があるのかもしれませんし、危険な副作用もあるかもしれません。
摂りすぎに注意して、健康やアンチエイジングに役立てばと思います。
ちなみにクルクミン(クルクミノイド)は脂溶性なので、油と一緒に摂取するとより吸収率が高まります。
そう考えると脂身の多いカレーのスパイスにウコン(ターメリック)を使うというのは、とても理に適っているのですね。
カレーを食べる習慣がある人は認知機能の低下が避けられることも分かっているため、人間でも効果は十分にあるのではないかと考えられます。
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