最近の記事では、運動と睡眠に関する最新の研究をまとめてきました。
特に睡眠は、心の健康の上でも非常に大切な役割を担っていることが分かり、コミュニケーション能力においても関連性が強いことが示唆されています。
今回もそんな睡眠と健康についての記事です
睡眠障害と認知症の発症リスクとの関連性が示された研究について、Science Alertと研究論文からまとめていきます。
参考記事)
・Sleep Disturbances Linked With Higher Dementia Risk, Study Finds
参考研究)
・The Independent Associations of Physical Activity and Sleep with Cognitive Function in Older Adults
3つの睡眠障害パターンと認知症リスク
American Journal of Preventive Medicinによって発表された研究では、睡眠障害と認知症との関連性があると報告されました。
結果は、入眠困難の場合、51%の認知症リスクの上昇がみられました。
睡眠薬を使用している場合、30%の認知症リスクの上昇がみられました。
一方、睡眠維持困難の場合、40%の認知症リスクの“低下”がみられました。
研究は、アメリカに住む65歳以上の認知症のない成人6,284人を対象に、2011〜2020年の10年間に得たデータから分析しました。
睡眠障害は、
入眠困難(30分以内に寝付けない)、
睡眠維持困難(早く起きてしまった後に再び眠りにつくことができない)、
睡眠薬の使用(睡眠を助ける薬の服用)
の3つに分けられました。
参加者は月に一度、以下のアンケートに回答していきます。
(1)先月、眠りにつくまでに30分以上かかった頻度はどれくらいですか
(2)先月、起きたいと思う前に目覚めた夜、どれぐらいの頻度で眠りにつくことができませんでしたか
(3)先月、睡眠を助ける薬をどれくらいの頻度で服用しましたか
これを続けながら、認知症になったかどうかを確認していきます。
認知症かどうかは、回答者の記憶(10語を瞬時に連想できるか)、日付が正確に言えるか、時計の描画などの与えられた課題がこなせるかなどの機能テストを定期的に行った上で、医師の判断又は、自己申告によって診断されました。
列で表されているモデルAは、未調整の状態での結果です。
モデルBは、社会人口学的統計によって調整された結果です。
モデルCは、社会人口学的統計と健康状態に合わせて調整された結果です。
このことから、入眠困難の場合のリスク上昇(51%増)、睡眠薬を使用している場合のリスク上昇(30%増)、睡眠維持困難の場合の認知症リスク低下(40%減)が確認できます
ただし、入眠困難の場合のリスク上昇は未調整のデータの数字を使っている点に注意が必要ですが、認知症と睡眠との関連性を認める結果として今後の研究の対象とされています。
また、睡眠維持困難型の不眠症がなぜ認知症リスクの低下に繋がったのかについても、今後の課題として更なる調査が必要とされています。
まとめ
・(今回は冒頭にまとめたので省略します)
寝つきが悪いというのは結構当てはまる人が多い気がします。
布団の中でスマホをいじったりしていると、中々寝るタイミングを失ってしまうなんてことも。
これをやりすぎると、布団=寝る場所ではなく、布団=スマホをいじる場所となってしまい、中々寝付けなくなるそうです。
対処法としては、
・昼間の内に体を動かし、眠気と共に床につく
・午後のカフェイン摂取を控える
・寝る前にPCやスマホなどのブルーライトをカットする
・眠くなるまでは布団に入らず本を読むという
のいずれか、または複数の組み合わせを習慣化することが良いとされています。
自分の場合は寝る前にスマホやPCをいじってしまうので、その点が課題になりそうです。
最後に研究の話に戻すと、場合によっては夜通し寝るよりも多少の覚醒状態が起こる方が、認知機能の維持ができる可能性があるというのは面白い結果ですね。
また、詳しい内容などを知りたい場合は、以下の研究にアクセスすると全容を確認できますので、興味があればどうぞ!
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