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【ギリシャ神話:ヘラクレス編④】ネメアの獅子とレルネのヒュドラ退治

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の続き…。

 

第一の試練:ネメアの獅子退治

一つ目の試練は、ネメアの谷に住み着いている獅子を退治するというもの。

 

この獅子、皮膚や毛皮が鋼のように硬く、剣も槍も弓矢も通さないという化け物じみた獅子なのです。

 

それもそのはず、この獅子の父はせっかちで有名な怪物オルトロス。

 

母はオルトロスの実の母であり、文字通り数々の怪物を産み出してきたエキドナ。

(母と息子の間で子供を作ったんですね…。)

普通の獅子ではなく怪物の類だったのですね。

 

因みネメアの獅子の兄弟には、あの有名なスフィンクスがいます。

前置きが長くなりましたが、このネメアの獅子と対峙したヘラクレス。

 

矢を射てもこん棒で殴っても傷一つつかない皮膚を持つ獅子に、何と素手で挑みます!

 

そしてどのように退治したかというと…!

 

流石ヘラクレス…!力の限り絞め殺しました!

ピーテル・パウル・ルーベンス作「ネメアの獅子」

その後、獅子の爪をナイフ代わりに、皮を裂いて防具としました。

 

以後、ヘラクレスはこのネメアの獅子の皮を身に付けるようになります。

 

ミュケナイの王エウリュステウスに獅子退治完遂の報告をしに行くと、王はたいそう驚きヘラクレスを恐れました。

 

以降ヘラクレスと謁見を謝絶。

 

試練をこなした場合には、街(城)の門の前にて報告せよと強く命じました。

 

第二の試練:レルネのヒュドラ退治

さて、続いての試練はレルネのヒュドラ退治。

 

レルネの沼に住み着く毒蛇の怪物と戦います。

ギュスターヴ・モロー作「ヘラクレスとレルネのヒュドラ」

このヒュドラ、やはりエキドナから生まれた怪物の一体で、父は全能の神ゼウスと戦うために生み出された最強レベルの怪物テュポン。

 

頭が沢山あり不死な上に毒の霧を吐き、ヒュドラが出す毒に触れたものは腐り死ぬという第二ステージに相応しくないレベルの化け物。

今回はヘラクレス一人ではどうにもならぬと助っ人を用意。

 

それは兄のイピクレス!…ではなく、その息子のイオラオス。

 

二人でヒュドラに挑みますが、いくらこん棒で首を潰してもその首から新しい首が再生するだけで倒すことができません。

(↓いくら装備が強いからって裸で立ち向かうのは…)

アントニオ・デル・ポッライオーロ作「ヘラクレスのヒュドラ退治」

この時、ヒュドラに増援が現れます。

 

カニです。

 

友人のピンチにヘラクレスに立ち向かいますが、足元にかすり傷を付けたところで踏み潰されて死んでしまいます。😭

 

蟹は倒すことができましたが、依然ヒュドラは健在。

 

イオラオスは

「再生するならその傷口を焼いて塞げばいいのだ!」

と妙案を思いつき、ヘラクレスに助言。

 

こん棒の先に火をつけ、ヒュドラの首を潰しては焼き潰しては焼き…。

 

こうして最後の首を焼き切ったヘラクレスは、第二の試練をクリアしたのです。

 

ヘラクレスの持っていた矢にヒュドラの毒を塗り一撃必殺の武器を手に入れました。

 

この報告を受けた王エウリュステウスは、

「ヘラクレスが達成すべき試練を、他人の助けを借りて成し遂げたとあらば、それは無効である。」

とヒュドラ退治の功績を無効とします。

 

結局ヘラクレスの功績は、今のところネメアの獅子退治のみになってしまうのです。

 

次回「ケリュネイアの鹿とエリュマントスの猪」

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