今回紹介するのは、不器用な服の仕立て屋が主役のヒューマンドラマ「テーラー 人生の仕立て屋」です。
勝手なイメージですが、“職人”と言うと自らの技術を使って淡々と仕事こなす堅物な印象があります。
この映画の主人公ニコスもそんな職人気質な人間であり、作中に登場する彼の父も厳しい仕立て屋の職人親方といった感じ……。
その性格ゆえにコミュニケーションに難があるように見え、彼の不器用な生き方と一流の技術によって“人生を仕立てていく”といった内容となっています。
テーラーといえば「紳士服」のイメージですが、作中で手がけるのはドレスです。
彼が造り上げるドレスの美しさも見どころとなっており、その作業風景なども評価されています。
それではあらすじから……。
あらすじ
アテネで36年間、高級スーツの仕立て屋店を父と営んできた寡黙なニコス。
だが不況の煽りを受け店舗の運営費を支払うことができない状態に。
銀行による差し押さえが迫る中、店のオーナーである父が倒れてしまう。
どうにか仕立て屋を存続させるため試行錯誤する中、ニコスは手作りの移動式屋台で仕立て屋を始めようと考えた。
だが道端で高級スーツは全く売れず、商売は傾く一方……。
そんな時、思いがけないオファーがくる。
それはウェディングドレスの製作依頼だった。
これまで紳士服一筋だったニコス。
思い切ってオーダーメイドのドレス作りを始めるが……。
土地柄や地域の人の人間性も楽しみの一つ
商品の値切りや品物以外のサービスを求める様子など、日本ではあまり見られない文化も端々に楽しむことができます。
資金が回らず移動式屋台で働くニコスにとってはなるべくお金が欲しいところですが、そんなことはお構いなしに値切ってくる人たちや、逆に気に入った商品はどんどん購入してくれるような気前の良さも新鮮です。
中には人間性を疑うような行動に出る者も……。
そんな不器用な仕立屋であるニコスやそれらを取り巻く人たちのドラマが映画として表現されています。
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