もし今までの3倍の速さで勉強したことが身につくとしたら、あなたは何を学びますか。
ケンブリッジ大学とシンガポール南洋工科大学の研究によると、特定の周波数を脳に認識させることによって、測定値の3倍以上の速さで学習することが可能という結果が明らかになりました。
2023年1月31日に、NEW ATLAS掲載の記事からまとめます。
参考記事)
Brain-frequency primer accelerates learning and retention
参考研究)
Learning at your brain’s rhythm: individualized entrainment boosts learning for perceptual decisions
脳波と学習効率の研究
研究では、特定の周波数を1.5良間点滅させるだけで、3倍以上の効率で学習する能力が現れたことを報告しています。
頭に脳波計を取り付けた80名の参加者に対し、脳の電気的活動を測定し、脳波のリズムをサンプリングしました。
研究チームはその中でもアルファ波に注目しました。
よくリラックスしている時に見られるこの周波数は、8〜12ヘルツの間で振動し、85〜125ミリ秒毎の完全なサイクルを作っています。
全ての人はその範囲内に独自のアルファ波を持っています。
チームはこれらの測定値を使用して、視覚的に見えるパルス(点滅)を作成しました。
このパルスを、個々の被験者のアルファ波と同じテンポで1.5秒間モニターに現れるようにし、脳が自然のリズムで機能するように調整されています。
また、意図的に周波数を変えた別のグループを用意し、それぞれがパルスを見てもらった後、800の認知タスクをこなしてもらいました。
その結果、適切な周波数を受け取ったグループは、そうでないグループに比べておよそ3倍ほどタスクの成績が良かったことが分かりました。
この研究の興味深かった点は、翌日になってもその能力が維持されていたことです。
ケンブリッジ大学のElizabeth Micheal博士は、「脳への介入自体は画面をチラつかせるだけと非常に単純ですが、強力で永続的な効果があるようだ」と述べています。
同大学小児科のVictoria Leong教授は、
「私たちは常に世界を認識しているように感じているが、実際は脳が迅速なスナップショットを取り、ニューロン同士で通信しながら情報を繋ぎ合わせている。
脳のニューロンを興奮状態にし、情報伝達を最適化することで、情報を最大限に捉えることができる」
と、自身の仮説と今回の研究結果をまとめています。
現在では脳の周波数を非常に簡単にできるシンプルな測定装置があり、それを元にして適切なパルス信号を送る装置が作られるかもしれません。
今後は、迅速な学習や意思決定が不可欠な職業でのトレーニングや、学習が苦手な子供達の大きな手助けになる可能性があるとして、今後の研究に期待が持たれています。
まとめ
・適切な周波数を1.5秒間受け取った参加者は、認知課題が少なくとも3倍速くこなすことができた
・周波数を受け取った参加者は、翌日もその効果を維持していた
・私たちが生涯、学習の要領が高い状態を維持できる可能性がある
・今後は学習をサポートするツールとしても期待されている
研究では、翌日以降も学習能力が向上し、生涯にわたって能力を維持できる可能性があると考えられています。
そう遠くない未来、パルス波による超効率的な勉強法が生まれてくるのかもしれませんね。
最初の問いではありますが、学習効率が3倍になったら何を学ぶでしょうか。
語学も良いし、歴史も良い、算術も科学も面白そう。
世の中まだ食べきれない知識が沢山ありすぎるので、まずは何を知れるのかを学ぶかもしれませんね。笑
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