カンブリア紀以外のアノマロカリス
カンブリア紀に地球の海を支配していたアノマロカリス。
ペイトイアやフルディア、カンブロラスターなど、かつてアノマロカリス類の仲間(ラディオドンタ類)はカンブリア紀で途絶えたと考えられていました。
しかし2015年にオルドビス紀の地層で発見されたエーギロカシスが、ラディオドンタ類だったことが判明します。
これにより、アノマロカリスの仲間はカンブリア紀以外にも生息していたことが分かりました。
今回紹介するのは、そんなカンブリア紀の支配者の子孫であるシンダーハンネスです。
シンダーハンネス
シンダーハンネスは2009年、デボン紀の地層から発見されました。
長い尾と特徴的なヒレ、そしてアノマロカリスのように体の前部に付属肢と円状に並んだ歯をもつ生物です。
全長は10cm程度しかなく、尾を除いた長さは約6.8cmだと推測されています。
冒頭でも話した通り、シンダーハンネスの発見はラディオドンタ類の生息期間を大幅に広げるものでした。
シンダーハンネスは発見当初、硬質化した背板や胴体から伸びる付属肢から、プテリゴトゥス(ウミサソリの先祖)などの真節足動物の仲間であると考えられてきました。
しかしラディオドンタ類についての研究が進むにつれ、背板は硬質化していたのではなく化石になる過程で圧縮変形された可能性が高いと判明。
また胴体付属肢もオパビニア類やラディオドンタ類に似た柔軟な構造だったことが分かったことで真節足動物ではなくラディオドンタ類として登録されました。
これによって、7,000万年~1億年もの間アノマロカリスの子孫が脈々と受け継がれていたことが分かりました。
このデボン紀に発見されたシンダーハンネスを最後に、ラディオドンタ類は姿を消します。
1億年あまりを生きたアノマロカリスも度重なる大量絶滅の前にはなす術もなかったのですね。
以上!古代を生きた小さなアノマロカリスについての記事でした!
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