オパビニア
今回の紹介するのはカンブリア紀のアイドルこと“オパビニア・レガリス”です。
全長は4〜7cm、ダクトのように伸びた吻(口に付随する体の一部)とおよそ360度の視野を持つ5つの目がチャーミング!
初めて後ろ向きの歯を発達させた生物としても知られ、現在でも注目を浴び続けている古生物です。
なんとも奇想天外な姿をしたオパビニア。
今回はそんな異形の生物についてフォーカスしていきます。
オパビニアの発見
オパビニアの化石はカナダで採掘されたバージェス頁岩から発見されました。
数ある化石の中でもオパビニアの化石は非常に珍しく、ウォルコット(バージェス山の一部)とレイモンド採掘場などの一部からのみの記録しかありません。
最初に発見したのは古生物学者チャールズ・ウォルコット教授で、1912に古生物として記載されました。
その後新たな化石の発見と分析が進んだことにより、その姿が明らかになっていきました。
オパビニアが注目を浴びるようになったのは、再調査が行われた1970年代以降でした。
1975年古生物学者ハリー・ウィッティントンによってオパビニアの復元図が発表されます。
それまでの古生物の姿は異質でしたが、このオパビニアの姿は群を抜いて奇妙なものでした。
あまりの奇天烈な姿に、発表のあった会場から笑いが起こり、一時中断される騒ぎにもなったそうです。
オパビニアの仲間
アノマロカリス類は複数種いましたが、オパビニア類は現在この“オパビニア・レガリス”の一種類のみしか発見されていません。
……と長い間認識されていました。
しかし近年の研究によって、アノマロカリスの仲間だとされていた“ウタウロラ・コモサ”が、オパビニアの同種であることが明らかになりました。
ここ10年でラディオドンタ類(アノマロカリスやペイトイアなど)の新しい化石が発見されたことによって生物種の僅かな違いが明らかになったため、ウタウロラ・コモサがオパビニア種である可能性が浮上しました。
ウタウロラ・コモサの化石を、現存および絶滅した節足動物の54種類のグループと比較した結果、ラディオドンタ類である可能性が0.6%、オパビニア類である可能性が68%と裏付けられました。
研究結果から、研究主任のスティーブン・ペイツ氏は、「オパビニアの種類はもっと豊富にいるのではないか。」と述べています。
これらの研究結果から、現在の節足動物の歴史に新たなページが刻まれていくかもしれませんね!
以上オパビニアでした!
参考文献:New opabiniid diversifies the weirdest wonders of the euarthropod stem group(2022年2月9日掲載)
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