イリアスとオデュッセイア
紀元前8世紀頃の詩人(所説あり)ホメロスの作品は後世にも多大な影響を与えています。
有名な作品に「イリアス」と「オデュッセイア」があります。
トロイの木馬や英雄アキレウス、一つ目巨人のサイクロプスや半人半鳥のセイレーンなど聞いたことがある方も多いかと思います。
そんな有名なキャラクター達が登場する作品です。
今回から数回にわたってまずはトロイア戦争についてまとめていこうと思います。
【イリアス】トロイア戦争
イリアスは、アキレウス、アガメムノン、ヘクトルなどトロイア戦争で活躍した英雄たちを描いています。
・戦争の発端
この戦いは「トロイアの王子パリス」が「スパルタの王妃ヘレネ」を連れ去り、妻にしたことが発端です。
・パリスの審判
というのも、ある日パリスは三人の女神から「誰が一番美しいか選べ」と言われました。
ただ選ぶのではなく、選んでくれたら褒美をやろうと女神たちは言います。
絵画「パリスの審判」より
・ヘラ(右):浮気者で最高神であるゼウスの正妻。
「私を選んだら、世界を牛耳るほどの権力を与えよう。」
・アフロディーテ(真ん中):愛と美の神。原初の神であるウラノスの男根と海水から生まれた。
「私を選んだら、世界最高の美女を娶ることを約束しよう。」
・アテナ(左):戦の神。ゼウスの頭からフル装備で生まれたスゴイ神。
「私を選んだら、どんな戦いにも勝利する力を与えよう。」
パリスが選んだのは、世界最高の美女を与えてくれると言ったアフロディーテでした。
(常勝の力か権力があれば何とかなる気が…とも思いましたが、そんな悠長なことを言ってられなかったようです。)
そしてパリスが選んだ最高の美女というのが、スパルタの女王ヘレネなのでした。
アフロディーテの息子であるキューピッド(エロス)が恋の矢でヘレネを打ち抜き、パリスに惚れさせました。
二人がお互いに好きならいいじゃん!
と思いましたがそうはいきませんでした。
ここからが10年にも及ぶトロイア戦争の始まりです。
立ち上がるアガメムノン
ヘレネの美しさに多くの男が求婚を申し出ます。
余りの人気ぶりに、スパルタ王テュンダレオスはある掟を定めました。
・婚約者はヘレネが選ぶこと
・彼女の意思を厳格に尊重すること
・これを乱す者がある時は全ての求婚者が一致団結し、違反者を罰すること
(他略)
パリスは完全にこれを乱す者ですね。
実はすでに婚約者としてミュケナイ王アガメムノンの弟であるメネラオスに決まっていましたが、パリスに誘拐されたことで破局。
これに激高したアガメムノンがギリシャ軍を指揮し、トロイアの遠征を決定。
こうしてトロイア戦争が始まっていくのです。
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