デボン紀の代表的な生物として“イクチオステガ”と“エルギネルペトン”が存在しました。
両者の見た目は魚のようなサンショウウオのような……、どっちつかずの姿で表現されることが多いです。
一言でいうならオタマジャクシがカエルになる途中といったところでしょうか。
今回はデボン紀後期から現れた、原始的な四肢動物の二種を紹介していこうと思います。
イクチオステガ
約3億6700万~3億6250万年前、現代のグリーンランド周辺にあたる場所でイクチオステガが生息していました。
グリーンランドと言っても現在のように北半球上部の寒いイメージの場所ではなく、大陸の移動の関係で赤道の下に位置していたと考えられています。
イクチオステガの体調は約1~1.5m。
内蔵を守る発達した肋骨と強固な背骨を持ち、魚で言うところのヒレは体を支えるための四肢へと進化を遂げました。
その四肢によってアザラシのように跳ねたりしながら陸上に上がることができたとされています。
ゲル状の卵で繁殖するなど、初期の四肢動物の生活は依然として水辺に頼ることになるため、陸上で生活するにはまだ発展途上でした。
それでも水辺の天敵を逃れ、自由な環境である地上に足を伸ばすには十分な力を備えていたとされています。
エルギネルペトン
かつてはイクチオステガが地球史上最初の四肢動物とされていました。
しかし2010年の研究によってそれよりももっと古い四肢動物の存在が明らかになりました。
それがこの項で紹介するエルギネルペトンです。
骨格化石が見つかっている最古の四肢動物です。
体長は1.5m、四肢の構造はイクチオステガと似ている部分が多くあります。
イクチオステガよりも1000万年ほど早く姿を現したとされ、体の構造が四肢動物に似ていることが明らかになっています。
その他の四肢動物とは異なる点があり、頭蓋骨の前部の幅が狭く、全体的に細長い特徴があるようです。
また、肩や股関節、顎や上腕骨などの化石が発見されていますが、断片的であるためどの生物の近縁種なのか、そもそも四肢動物なのかも断定されてはいません。
あくまでも“現状は最古の四肢動物”と考えられています。
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