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“働かないもの”だからこその使い道~アルゴン~

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アルゴン

アルゴンは希ガスの中で最も多く、大気中の約1%(0.938%)に当たる成分です。

  

ギリシャ語のa(否定)+ergon(働く)=argon(働かないもの、怠惰な、不活性な)を語源とします。

   

その語源の通り、他の物質と極めて反応しにくい完全不活性という特徴があります。

 

その特徴を利用して金属を溶接する際に、酸化や窒化を防ぐという大変便利な使い方ができます。

 

 

身近なアルゴンの用途としては、電球や蛍光灯の光源などがあります。

 

蛍光灯にはアルゴンや水銀蒸気が封入されています。

 

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電極に電流が流れると、電子が飛び出て水銀電子にぶつかり紫外線が発生。

 

このとき紫外線が内側の蛍光体に当たって光が放たれますが、アルゴンが封入されることによって電子の放出が一定に保たれています。

 

 

アルゴンの発見

←レイリー卿/ウィリアム・ラムゼー→

 

レイリー卿二代目男爵(ジョン・ウィリアム・ストラット)が空気中の未知の元素を発見し、ウィリアム・ラムゼーと共にそれがアルゴンであることを突き止めました。

 

19世紀末期、レイリー卿が空気に含まれる元素の分析をしていたときの話です。

 

彼が酸素を抜いた後の窒素の量を調べると、本来の窒素の量と比べてほんの僅かに窒素の量が合わないことに気づきました。

 

レイリー卿が論文や講演にてそれを発表すると、それを聞いていたW・ラムゼーがレイリー卿と接触。

 

ラムゼーの研究分野が窒素と関係の深いアンモニアだったため、レイリー卿の研究に協力することにします。

 

研究中のラムゼー

 

高温下において窒素とマグネシウムを化合させることで、窒素を空気中から除去したところ、僅かに気体を取り出すことに成功。

 

どんな薬品とも反応しないこの気体を”働かないもの=アルゴン”と名付け世間に発表しました。

 

1904年、この発見を功績に発見者であるレイリー卿ノーベル物理学賞を受賞しました。

 

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