心理学

【ことばの心理術②】人を味方につけるテクニック

心理学

【前回記事】

  

「ひと言」で相手の心をつかむ ことばの心理術 フレーズ辞典

  

この記事では、著書「ひと言」で相手の心をつかむ ことばの心理術 フレーズ辞典から、日常で使える言葉の心理をまとめていきます。

  

主に心理学で使われる用語やその使い方に焦点を当てて、ためになったと思ったものを優先的にピックアップしていきます。

  

今回のテクニックは、取引先の人や職場の同僚など他人を味方につけたいときに使える心理術です。

 

   

単純接触の法則

  

単純接触効果とも言い、どこかで聞いたことがあるテクニックかもしれません。

  

1回だけ1時間しか会わないよりも、10分ずつ6回に分けてあった方が親しさが増す。

  

といったように、顔を合わせる回数を増やすだけで、親密度が増すというものです。

  

ある程度距離感の近い同僚などならまだしも、取り引き先やはるか年上の人などは、そうそう気軽に飲みに誘ったりできるものではありません。

  

そんな時は「ちょっと近くまで来たもので、お寄りしました。」とこまめに顔を出すきっかけを作ると良いと本書では紹介されています。

  

こう言われた相手はそれほど、気持ちの負担にならず、素直にあったり断ったりもできます。

 

相手が忙しそうな時は、「お時間取っていただきありがとうございます。今日はこのまま帰ります。」といったようにすぐに引き上げることが大切でもあります。

そうすれば、相手も時間がある時にはまた話をする時間を作ってくれる可能性も高いですし、悪い印象はそうそう与えません。

 

大切なのは、これを頻繁に繰り返すということです。

 

短い時間でも頻繁に顔合わせることで、話したりする相手に親しみを感じる、これが単純接触の法則(単純接触効果)です。

 

 

好意の返報性

 

スーパーの試食サービスのとき、道の駅などで果物や野菜をサービスしてもらったあとなど、別に買う必要もなかったのに、ついでに買ってしまったなんて経験はありませんか?

 

相手に何かしてもらったら、自分も何かしてあげなければいけない気がする。

 

心理の法則の一つ“返報性の法則”です。

 

行動心理学でもよく使われるこの手法を応用して、苦手な人を味方につけることも可能です。

 

誰だって嫌いな人や苦手な人の1人や2人はいると思います。

 

そんな時、その人と会う機会をなるべく作らないように逃げ回るのは愚策です。

 

同僚や知り合い程度だったらまだしも、それが取引先の相手や上司だったら、逃げているだけでは根本的な解決はできません。

 

それどころか、避けていることが相手にも伝わり、事態を悪化させる一方です。

 

ではそんな時どうすればいいのでしょう。

 

効果的な対処法は、実は自分が相手に好意を持っていると示すことです。

 

直接会うのもしんどいのに、好意を持っていると示すのは難しいですね。

 

そんな場合、どんな小さなことでもいいので、相手の良いところや好きそうに乗れそうなところを探すことが大切です。

 

・時間だけはしっかり守る

・身なりを常に整えている

・嫌なことでもはっきりものを言う

・○○にはこだわっている

 

など、苦手な相手の中にも、少なくともどこか好きになれそうな部分、尊敬できる部分は必ずあるはずです。

 

もし無かったとしたら、親しい人に「○○さんの良さってなんだろう?」と相談を持ちかけるのもありでしょう。

 

そして最も重要なことは、その苦手な人に知られることなく発信をすることです。

 

「自分、○○さんのこと凄いって思う。何故かっていうと……」

 

苦手な相手の人と親しい人に対して発信できればいいですが、それができなければ複数人に話してみるのもありです。

 

そういった話が相手に伝わると、「あの人は意外と私を評価してくれているのか……」と感じさせ、好意を示してくれたり、見方を変えてくれるきっかけになります。

 

これを心理学の用語で言う“好意の返報性”です。

 

ただし、最初に示す行為は、あくまでも本物でなければなりません。

 

本当に尊敬できる点や、見習いたい部分でないと、お世辞に聞こえてしまい逆効果です。

 

誰でもできているようなありふれたことを褒めるのではなく、その人ならではの特徴を見つける努力は必要になりますね。

 

 

自尊の理論

 

失恋して落ち込んでいる人に異性が寄り添うと、その人を好きになってしまう。

 

というのは、ドラマでも実際でもよ聞く話ですよね。

 

これには“自尊の理論”が働いてると言えます。

 

アメリカの心理学者ウォルスターは、自分に対する評価と好意の持ち方との関係を、ある実験で確かめました。

 

実験では、女子学生たちに性格テストを実施した後、別の部屋に待機してもらいます。

 

その部屋にウォルスター博士が用意した男子学生を送り込み、しばらく雑談をした後にデートに誘わせます。

 

デートの誘いの後、男子学生が部屋を出てから、女子学生に最初に受けた性格テストの結果を知らせます。

 

この時を知らせるのは、実際の検査結果ではなく、実験用に用意した2種類の結果AとBです。

 

結果Aには、テストを受けた女子学生が、自分に自信を持てるような高い評価が書かれています。

 

結果Bには、逆に女子学生が自信を失うような低い評価が書かれています。

 

この結果を見せた後、デートに誘われた男子学生に対してどの程度好意を持ったかを彼女達に答えてもらいました。

 

いい評価を受けた女子学生は、男子学生に対して好意を示す度合いが低い傾向が見られました。

 

それに対し、否定的なテスト結果をもらった女子学生は、デートに誘ってもらった男子に対する好意の度合いが高い傾向が見られました。

 

つまり、テスト結果が悪くて自信をなくした女子学生は男子学生がデートに誘ってくれたことを思い出し、傷ついた自尊心を回復させていたと言えます。

 

これが自尊の原理です。

 

男子からすると、気になる女性がいる場合は相手が落ち込んでいるときこそがチャンスと言えますね。

 

これは男女間に限った話ではありません。

 

会社やグループの中で味方になってもらいたい人がいたら、その人をよく観察し、上司に叱られたり、何か失敗をして落ち込んでいる時に「大丈夫ですか?」「何か手伝えることがあればやらせてください」と声をかけることができれば、その人の信頼を得ることは難しくないでしょう。

  

 

まとめ

・単純接触の法則=短い時間でもこまめに会って親密度を上げる

・好意の返報性=苦手な人の良いところを、人伝えに褒める

・自尊の理論=落ち込んでいる時に寄り添う言葉をかける

 

今回は以上の3つのテクニックの紹介でした!

 

苦手な人を味方につけるというのはある意味快感でもあります。

 

余計な気負いもすることなく、ストレスは大幅に減り、居心地が良くなります。

 

最初はお世辞だったとしても、仲がふかまればもっとその人の良いところが見えてきたりもします。

 

大切なのは、自分がまずは動いてみるということですね。

 

 

【次回記事】

 

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