【ことばの心理術③】YESを引き出す会話

心理学
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【前回記事】

  

「ひと言」で相手の心をつかむ ことばの心理術 フレーズ辞典

   

この記事では、著書「ひと言」で相手の心をつかむ ことばの心理術 フレーズ辞典から、日常で使える言葉の心理をまとめていきます。

  

主に心理学で使われる用語やその使い方に焦点を当てて、ためになったと思ったものを優先的にピックアップしていきます。

  

今回のテクニックは、相手からイエスを引き出す会話術です。

   

伝え方によって相手の心理が変わる仕組みについてまとめています。

 

 

同調現象

   

同調現象は、自分の意見や判断を曲げてでも、周りの人達に合わせようとしてしまう効果のことです。

 

スマホ売り場の店員に、「スマホのこの機能は、すでに皆さんお使いになっていますよ。」なんてこと言われたら、いくら自分が機械音痴だと思っていても、「みんなできているなら自分も使えるようになった方がいいかも……」と考えるようになったりすることは容易に想像できます。

 

同様に、セールスの場でも、「皆さんすでにお使いになっていますよ」と勧められると「みんなが使っているなら良いものに違いない」と理屈を付けながら、試しに買ってみてもいいかという気持ちになる。

 

他の人と同じでありたい、みんなに遅れたくない、という心理を逆手にとって「イエス」を引き出すことが同調現象を利用した会話術です。

 

ちなみに皆さんはこれをすでに使っているかもしれません。

 

子どもの頃に「みんな持ってるから買って!」と親にねだった経験はないでしょうか?

 

中には「家は家、よそはよそ」とキッパリ断られることもありますが、時にはこのおねだりが成功することも……。

 

“みんな持っている、やっている”という意識は、子どもも大人も翻弄される心理テクニックなのですね。

 

 

ドア・イン・ザ・フェイス

  

あまり親しくない友人に、「独立資金として1,000万円貸して欲しい」と頼まれたらどうしますか?

 

おそらく余程お金に余裕がない限り、考えもせず断るでしょう。

 

では、次に「週末の旅行のために5万貸して欲しい。」と頼まれたらどうでしょう。

 

まぁそれくらいだったら……、となるかもしれません。

 

ドア・イン・ザ・フェイスは、まず過大な要求を出して相手に断らせた後、レベルを下げた本命の要求を通す方法です。

 

アメリカの心理学者ロバート・べノ・チャルディーニは、この心理テクニックを実験で確かめました。

 

実験対象の学生たちを2グループに分けました。

 

【①グループ目】

最初のグループには「少年院で2年間ボランティアのカウンセラーをやらないか?」と提案します。

 

もちろん、とても重要な仕事になり、学生の身分ではとても応じられるものではありません。

 

学生がその提案に断ると、次に、「では、少年たちの動物園旅行の付き添いに参加しないか?」と持ちかけます。

 

【②グループ目】

次のグループには、「少年たちの動物園、旅行の付き添いに参加しないか?」とだけ持ちかけます。

 

その結果、①グループ目が動物園の付き添いに応募したのは56%

 

②グループ目が動物園の付き添いに応募したのは32%。

 

少年院で2年間のボランティア活動という大きな要請を断ったグループは、動物園旅行の付き添いという要請を断りきれなくなりやすいということが分かります。

 

相手の要求を断ったという借りできると、“このままでは相手に悪いので、お返しをしなくてはならない”という心理が働いたと考えられます。

 

これは前回記事でも紹介した“好意の返報性”の応用でもあります。

 

 

初頭効果

 

初頭効果は、最初に提示された情報に強く影響されてしまう心理的な傾向を言います。

 

第一印象が良いと、2度目3度目に会った時には更に印象が良くなっていく

 

逆に第一印象が悪いと、会う度に印象が悪くなっていく

 

という現象があります。

 

しかし、第一印象が良すぎるというのも商品を勧める場合や、会議でプレゼンテーションをする場合には必ずしも良いとは言えません。

 

どんな物事にもメリットとデメリットは存在します。

 

何か商品を購入するとき、メリットしか目につかなかった……。

 

セールスをされたとき、メリットしか話されていない……。

 

そんな商品やサービスがあったら、デメリットが気になったり口コミを確認したくなったりしませんか?

 

顧客に商品を勧める場合や会議でプレゼンテーションをする場合でも、メリットとデメリットの両方を伝えた方が信憑性が増すのです。

 

その際注意すべきなのは、プラス面とマイナス面どちらを先に伝えるかによって印象が180度変わってくるということです。

 

ポーランドの心理学者ソロモン・エリオット・アッシュは、このプラス面とマイナス面の伝え方と印象についての実験を行ないました。

 

実験ではある人物についての評価を記した2つの文書を用意しました。

 

文書Aには、「陽気でよくしゃべり個性的、決断できる強さがある」と書かれたものを。

 

文書Bには、「騒がしくて個人主義、集団行動が苦手で自分勝手に行動することが多い」と書かれたものを。

 

この2つの文書を、用意したグループに異なる順番で選んでもらった後、その印象を調査したというものです。

 

A→Bの順番で読んだグループは、この人物に興味は好感を持ちできるなら交際してみたいとプラスの評価をしました。

 

B→Aの順番で選んだグループは、この人物に嫌悪感を持ち、関わりたくないとマイナスの評価をしました。

 

同じ文章でも印象が悪い事を最初に伝えてしまうと、その後にプラス面を主張したとしても悪い印象を持たれてしまうということが分かります。

 

また別の実験では、2人の人物について書かれた文書を見せた後、どのような印象を持ったかを調査しました。

 

レスリー:活発、好奇心旺盛、コミュニケーション能力が高い、利己的、執念深い

 

ケビン:執念深い、利己的、コミュニケーション能力が高い、好奇心旺盛、活発

 

全く同じ性格ですが、レスリーは良い面を先に伝え、ケビンは悪い面を先に伝えました。

 

これを見た後、アンケートの参加者はやはりレスリーには好感を持ち、ケビンには嫌悪感を持ちました。

 

これらのことから、何かについて提案をする場合は、メリットとなる点を先に提示することで、意見が通りやすくなると言えます。

 

それと同時にデメリットも伝えることで、まだ信頼関係を築けていない相手にも誠実さが伝わり、信頼性や好感得られる可能性が高まります。(両面提示)

 

 

まとめ

・同調現象=周りも使っていることをアピールして行動を促す

・ドア・イン・ザ・フェイス=大きな要求でNOと言わせた後は、本命の小さな要求が通りやすい

・初頭効果=同じ内容でも、第一印象がプラスだと好印象

 

特に同調現象の影響力はとても大きいと感じています。

 

私事ではありますが、いわゆる機械音痴と言われる父や母が、周りが使っているからといってスマホを使い始めたり、SNSで発信している姿を見るのは本当に驚きです。

 

また、幼稚園ぐらいの子が、周りがみんな逆立ち歩きやブリッジ歩きができていることを認識すると、自分もそのレベルまでできるようになるという効果も確認されています。

 

「○○ができない、□□が苦手……」というのは、ある意味錯覚なのだと考えさせられます。

 

今回はそんな心理的効果を使って、相手の気持ちを動かすテクニックでした!

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