科学

【身近な化学⑨】石油とガソリンとエネルギー

科学

前回記事

 

 

この記事では著書「身の回りのありとあらゆるものを化学式で書いてみた」から、興味深かった内容や身の回りの物質の性質を紹介していきます。

      

記事を読んでいただき、少しでも世の中の見え方が彩り豊かになってくれたら幸いです。

    

今回取り上げるテーマは“石油”です。

  

昨今のエネルギー問題としてよく取り上げられる石油。

 

かつて人やものが、ある地点からある地点に移動する時、動物の力車輪によって、より効率的な移動が行なわれてきました。

 

18世紀に入り産業革命が起こると、石炭エネルギー源とする蒸気機関が現われます。

  

さらに19世紀になりオートバイ三輪乗用車が開発されるようになると、人がいちいち燃料を補給する石炭よりも、1度入れてしまえば一定の距離を走ることができる石油(ガソリン)がエネルギーとして使われるようになりました。

  

現代では電気自動車などが盛んに開発されていますが、そのエネルギーを作る大本をたどれば、やはり石油や石炭などの化石燃料に行き着きます。

  

今回はそんな石油やガソリンについてのお話です。

 

  

石油と石炭

石油や石炭などは生物の死後、地下や海底深くでバクテリアによって分解され、そこに熱や圧力によってできたものと考えられています。

  

有力な説としては、生物由来説があります。

  

今から約3億年前の古生代石炭紀の頃、植物や生物が死んだ際今ほど分解者(微生物)が多様ではなかったため、腐敗する前に資源になる過程を経ることができたという説です。

 

実際に石炭などの資源がこの頃の地層のからよく採れるため、この年代を石炭紀と呼んでいます。

  

こうして作られた石油には、どのような分子が入っているのでしょう。

  

石けんを紹介した記事から、炭素原子と水素原子の組み合わせによってたくさんの分子が作られるということが分かりました。

 

このような分子を“炭化水素”と呼びます。

  

炭化水素の例

  

CとHがつながった分子は数多くあり、その数はなんと数100万種類に及ぶといわれています。

 

中には以下の図で示したように輪っかになったような分子も含まれています。

  

 

これらの成分は天然ガス、ナフサ、灯油、軽油などという名称で分類され、石油の中に存在する分子がもつ炭素の数に応じて分けられています。

  

石油の分野では、天然ガスやナフサなど、このように表わしカテゴリー別に分けられています。

  

  

例えばC2H6はエタン、C3H8はプロパンとなりこのふたつはいずれも天然ガスのカテゴリーに分類されます。

  

また、それぞれの分子によって沸点が定まっています。

  

(・名前=科学者=沸点)

・メタン=CH4 =-162℃

・エタン=C2H6=-89℃

・プロパン=C3H8=-42℃

・ヘキサン=C6H14=69℃

・オクタン=C8H18=126℃

・ドデカン=C12H26=215℃

  

これによって多くの種類の分子が混ざった石油を熱する(蒸留)ことで各資源を意図的に取り出すことができます。

 

ジェイ・サイエンス・ラボ「初心者のためのガスクロ講座」より画像引用

  

ただし、石油の中の分子を1種類ずつ分離できる訳ではなく、沸点の近いものをまとめて取り出します。

  

その大まかな種類をまとめたものが、先程の天然ガスやナフサなどのカテゴリーなんですね。

  

我々の身近な燃料の一つであるガソリンは、この中のナフサから作ることができます。

  

この中に試薬で、化学反応を起こしたり、添加物を加えてガソリンにしていきます。

  

 

ガソリンとエネルギー

では、ガソリンはどのようにしてエネルギーに変換されるのでしょうか。

  

C8H18(オクタン)と酸素(O2)の化学反応を例として見ていきます。

  

  

オクタンと酸素を混合させて点火すると、燃焼してエネルギーが生まれます。

  

燃焼は物質が酸素とともに光や熱を発生しながら反応することであり、この反応から得られるエネルギーで自動車が動いています。

 

動物の呼吸ではグルコース(C6H12O6)と酸素(O2)と水(H2O)が反応してエネルギーを生み出しています。

 

  

動物の場合は酵素によって反応が促され、ガソリンの場合は熱(点火)によって反応が促されます。

  

反応のきっかけに違いはあれど、反応後に二酸化炭素(CO2)と水(H2O)、そしてエネルギーを得ている点ではとても似ていますね。

 

 

1バレル=約159ℓ

液体の量や体積を表す単位バレル(barrel)。

  

国によって単位が変わるバレルですが、石油の量を表すバレルだけは世界共通で決まっています。

  

その値は1バレル=42ガロン=159ℓです。

  

バレルという単位の語源は、単語通り英語の樽からきています。

  

ピクト缶より画像引用

  

かつては採掘した原油は樽を使って運ばれていました。

  

その際樽に入れることができる量は50ガロンでしたが、輸送する中で蒸発したり、溢れたりと中身が減り、最終的に残るのはどれも42ガロン(159ℓ)程度だったそうです。

 

この名残から1バレル=42ガロン=159ℓと決められています。

  

  

まとめ

いかがでしたでしょうか石油の化学(と豆知識)。

  

水素と炭素の組み合わせが多種多様な性質をもつ分子へと変貌を遂げていたのですね。

  

今や石油は、燃料だけでなくプラスチック製品や繊維などにも使われ、私たちの生活にはなくてはならないものになっています。

 

限りある資源をどのように使うべきかはまた別の議論になるので置いておいて、太古の昔の地球が今に大きな影響を与えていることはほぼ確実なようです。

  

このようなことを知っていくと、エネルギーの仕組みを考えながら資源のありがたみを感じるようになるかもしれませんね。

 

 

次回記事

 

 

 

関連記事

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました