哲学

例え拷問を受けていても幸福~ストア派~

哲学

ストア派とは、紀元前3世紀から紀元前2世紀にかけて盛んになった哲学一派です。

 

古代ギリシャの時代に存在したと言われるゼノンから始まった思想で、禁欲主義的な考え方です。

ゼノン

ストア派は、生物は受動的な物質と能動的な力(プネウマ)とで構成されていると考えていました。

 

また、人は自然的な法則のっとって進化、発展するように神によって設計されたとも考えていました。

 

自然の法則に関係のない、「感情欲望」は不自然なものだと捉えていたのですね。

 

欲望を抑え、自分を鍛錬して徳を積んで幸福を得ようという考え方です。

 

ストア派が考えていた「幸福」とは…?

ストア派で最も重要だったのは、人はどう生きるべきかということです。

 

彼らは、人は幸福を求めるべきだと考えました。

 

では彼らにとっての幸福とは…?

 

ストア派の幸福とは、「徳があり、勇気を持ち、控えめで、忍耐強い」ことと考えていました。

 

人間が富や名声を得たり健康を望むのは当然のことですが、実際の幸福とは無関係であると説き、すべての徳を備えた人は、肉体的な健康とは無関係で幸福でいられると考えました。

 

感情の排除

中には、こうした徳を備えた人は、

例え拷問を受けていたとしても幸福でいられる

と考える人もいました。

 

また、感情は単なる考えというワケではなく、常に考えを伴っていると思っていました。

 

真に徳を備えたは、病気であっても幸福でいられるとも考えていて、

「病気を恐れるのは病気を悪いものだという考えをもっているから」

「徳を持っているならば、病気を悪いものと考えない」

「よって感情は排除すべき」

という考えも持っていました。

 

とにかく、感情に左右されず欲望に飲み込まれることがないよう自然の法則のままに生きていけば、心の安らぎ(アタラクシア)を得ることができる。

 

という哲学的な考え方を持っていた派閥のお話でした。

 

豆知識

禁欲や欲望への感情をコントロールすることを「ストイック」といいますが、このストア派がその語源と言われています。

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