前回、オルドビス紀のメガログラプトゥスをはじめとし、ウミサソリの仲間が地球の海で繁栄していきます。
中でも彼らがその隆盛を極めたのは、地球史上でもかなり温暖な時期にあたる“シルル紀”です。
今回はそんなウミサソリの仲間から、プテリゴトゥスとアクチラムスの紹介です。
プテリゴトゥス
プテリゴートゥスはシルル紀後期からデボン紀前期にかけて南北アメリカ及びヨーロッパに生息していたとされる節足動物です。
発達したハサミが特徴的で、当時存在した他のダイオウウミサソリ科の生物と比較しても、かなり強固な握力と粉砕力を誇っていたと考えられています。
ハサミを匠に使うことで堆積物を避け、隠れた環形動物(ゴカイの仲間)を捕食していたことを示唆する痕跡も見つかっています。
全長は個体によって様々です。
知られている中で最小のプテリゴトゥスはP・コパニネンシスで、全長は50㎝程度です。
また既知の中で最大のプテリゴトゥスはP・グランディデンタトゥスで、全長は約175㎝と成人男性ほどの大きさがあります。
その体格や強力なハサミ、そして目の良さによって生態系のトップに君臨していたとされています。
ちなみにプテリゴトゥスの学名の由来は“翼のある魚”です。
これは化石の発見当初、魚類と誤認されたことが原因です。
アクチラムス
さてプテリゴトゥスに続いて紹介するのは、同じダイオウウミサソリ科から進化してきた“アクチラムス”です。
プテリゴトゥス同様、シルル紀後期からデボン紀前期までの長い期間、海で繁栄していたとされる種です。
その大きさは驚愕の2m超え。
プテリゴトゥスを超える巨大な個体が存在していました。
最小のアクチラムスはA・フラワリで、全長は20㎝程度の小柄な身体を持っていました。
最大のアクチラムスはA・ボヘミクスで全長は約210㎝もあったことが分かっています。
複眼を調べて分かったことは、プテリゴトゥスら他のダイオウウミサソリ科の生物に比べると視力が弱く、夜間タイプの待ち伏せの捕食者か、腐肉食者だったと考えられています。
活動のタイプを変えることで、近しい種で争う必要が無いように進化したのかもしれませんね。
何にせよ、人間の大きさを超えるほどの巨大なウミサソリが存在していたというのがロマンですねぇ。
ちなみに彼らを超える2.5m以上もの身体をもった、イェケロプテルス(ジェケロプテルス)やエレトプテルスも存在します。
ぱっと見だと見分けがつかない……。
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