大己貴神(オオナムチのかみ)とは、後に古事記のビッグヒーローのひとりである、大国主神(オオクニヌシのかみ)になる前の名前です。
オオナムチは、小学校の国語でも知られる因幡の白兎の主人公でもあります。
治癒や医療の神、縁結びの神としても祭られている神社が多いです。
今回は、そんなオオナムチがオオクニヌシに出世していくお話です。
【いじめられっ子のオオナムチ】
オオナムチには80人の異母兄弟がいました。
彼らをまとめて八十神(ヤソガミ)と言います。
八十神たちは、因幡(イナバ)にいる八上姫(ヤガミヒメ)という、アイドル的な神様のことを好いていました。
もちろんオオナムチも彼女のことを好きな神様のひとり。
ある日八十神たちとオオナムチは、ヤガミヒメに求婚をしようと、因幡まで出向きます。
若いオオナムチは、日ごろから馬鹿にされ、身分の低い仕事を任されていました。
因幡に向かうときも、八十神たちの荷物持ちを押し付けられ、遅れながらもヤガミヒメのもとを目指します。
【因幡の白兎】
因幡に向か途中、全身の皮を剥がれたウサギ(因幡の白兎)を発見します。
ウサギが言うには、
「島に移るために鰐(サメやフカ)を騙していたら、全身の皮を剥がれてしまった」
ことや、
「海水に体をつけて山の頂で風を浴びていたら、全身にヒビが入って更に悪化した」
ことなど、中々凄惨な体験談を語ってくれました。
なぜそんなことをしたのかを聞くと、八十神たちに騙されたとのこと…。
そんな状況を見かねたオオナムチは、
「川の水で体を清めて、蒲の花粉をまぶしておくといいよ」
とアドバイス。
言われた通りにしたウサギは、すっかり皮も毛も元通り。
たいそう喜んでオオナムチに感謝しました。
このことがオオナムチが医療の神と言われる所以です。
別れ際にウサギは、
「あなたはヤガミヒメと結ばれるでしょう。」
と予言をし、オオナムチと別れることになります。
続く…。
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