さてここからは古代エジプト史に触れていきます。
ナルメル王から始まり、主要なファラオや出来事を紹介していきます。
まずはエジプトの統一王ことナルメルについてです。
エジプト文明の始まりを語る上で欠かせない遺物が、この“ナルメル王のパレット”です。
ナルメル王は紀元前3000年頃のエジプトの王です。
ナイル川の上流と下流に分かれていたエジプトを統一した王であり、この統一王ナルメルからエジプト王朝が始まっていきます。
パレットの表
表面下部には、敵を踏みつけ城壁を壊す雄牛が描かれています。
真ん中の長い首を交差させている怪獣は、当時のエジプトの壁画など比べてかなり異質です。
西アジアの怪獣をモチーフにしたと考えられていて、この怪獣が作った円の中で顔料を混ぜて化粧品を作ったりしていたと言われています。
上部には横たわった死体と兵士、そして冠を被ったナルメル王が描かれています。
このナルメル王の冠は赤冠と呼ばれ、上エジプトの象徴です。
パレットの裏
裏面の下部には、逃げ惑う人々が描かれており、髪型や風貌から恐らくアジア人であろうと考えられています。
半分以上を占める上段部分には、ボーリングのピンが頭部にハマってしまったナルメル王が描かれています。
このボーリングのピンは白冠といい、上下エジプト統一の証です。
また、ホルス神がハヤブサの姿で描かれ縄を持ち、縄は人間の鼻と接しています。
これは下エジプトの征服を表しています。
これらの通り、ナルメル王のパレットはエジプト統一を描いた化粧板だったのです。
とは言えこのパレットの裏面、自身にピンを被せた従者を叱っている可能性も捨てきれませんね。
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