一般的な炭酸飲料には大量の砂糖が含まれており、血糖値を急上昇させることが知られています。
しかし、ダイエットコークのような「ゼロカロリー」飲料は砂糖を含まず、血糖に直接的な影響を与えないとされています。
実際、人工甘味料を使用しているため、糖質やカロリーはほとんどゼロに近く、血糖値を即座に上げることはありません。
しかしながら、長期的かつ日常的に摂取した場合には、代謝やホルモン反応に微妙な影響を与える可能性があることを示す研究結果も増えてきています。
以下に研究の内容をまとめます。
参考記事)
・What Happens to Your Blood Sugar When You Drink Diet Coke Regularly(2025/11/12)
参考研究)
・Effect of sucralose and aspartame on glucose metabolism and gut hormones(2020/02/17)
・The Impact of Artificial Sweeteners on Body Weight Control and Glucose Homeostasis(2021/01/07)
(他、記事内にて随時リンクを記載)
ダイエットソーダは血糖に影響するのか

ダイエットコークにはアスパルテーム(aspartame)やスクラロース(sucralose)などの人工甘味料が含まれています。
これらの甘味料はカロリーと炭水化物がほとんど含まれないため、通常の砂糖入り飲料のような血糖値の急上昇を引き起こすことはありません。
過去の研究では、これらの人工甘味料は血糖やインスリン値に大きな変化をもたらさないと報告されています。
たとえば短期間の摂取実験では、人工甘味料を摂っても血糖値が上昇する兆候は確認されていません。
一方で、長期的に摂取した場合に体の糖代謝やインスリン応答に影響を及ぼす可能性があるという指摘も存在します。
2020年に発表された研究では、二型糖尿病患者を対象に人工甘味料を常用している人とそうでない人を比較したところ、甘味料を摂取していた人々の方がインスリン抵抗性が高かったという結果が示されました。
インスリン抵抗性とは、体の細胞がインスリンに対して十分に反応しなくなる状態を指し、結果として血糖コントロールが難しくなり、糖尿病の進行や合併症のリスクを高めます。
このように、人工甘味料が直接的に血糖値を上昇させることはないものの、長期的な代謝反応を通じて間接的な影響を与える可能性があるというのが現時点での見解です。
ダイエットソーダと健康リスクの関連性
人工甘味料入り飲料の健康への長期的影響については、いまだ十分なエビデンスが揃っていないのが現状です。
しかし、複数の研究が特定の健康リスクとの関連を示唆しています。以下に主なリスクを挙げます。
1. 精神的健康の悪化
2014年の研究では、人工甘味料の摂取が気分の変動や抑うつ症状のリスク上昇に関係していると報告されています。
アスパルテームは脳内の神経伝達物質の働きに影響を及ぼす可能性があるとされ、長期摂取により不安感やイライラ感が増すとの指摘もあります。
2. 認知機能の低下
2025年に行われた大規模研究では、アスパルテームなどの人工甘味料を長期間摂取している人々で認知機能の低下が加速している傾向が見られました。
メカニズムはまだ明確ではありませんが、人工甘味料が脳内の炎症や酸化ストレスに影響している可能性があると考えられています。
3. 心疾患リスクの上昇
いくつかの疫学的研究は、人工甘味料の多量摂取と心血管疾患のリスク上昇との関連を報告しています。
血管内皮機能の低下や腸内細菌叢の変化を介して、間接的に動脈硬化や高血圧のリスクを高める可能性があると推測されています。
4. 体重増加との関連
意外なことに、「ゼロカロリー飲料を飲んでいるのに太る」との報告も存在します。
一部の研究では、人工甘味料が脳の報酬系を刺激し、実際の糖を求める欲求を強めるとされています。
これにより、摂取カロリー全体が増加し、結果的に体重が増えるケースもあります。
ただし、体重との関係については研究によって結果が異なり、明確な結論はまだ出ていません。
5. 発がん性の可能性
世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は、アスパルテームを「ヒトに対して発がんの可能性がある物質(グループ2B)」に分類しています。
一方で、アメリカ食品医薬品局(FDA)は現時点の科学的証拠では発がんリスクを裏付けるデータはないと述べています。
したがって、この点については評価が分かれており、さらなる研究が求められます。
6. 糖尿病の合併症
一部の臨床観察では、人工甘味料を常用している糖尿病患者で網膜症(糖尿病性眼疾患)の悪化やHbA1c値の上昇が報告されています。
ただし、これらの結果は関連性を示すにとどまり、因果関係が証明されたわけではありません。
FDAによる安全基準と摂取量の目安
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、ダイエットコークなどに含まれる人工甘味料を「適量の範囲であれば安全」と判断しています。
同局の基準では、体重130ポンド(約59kg)の人が、1日にアスパルテームを含むEqual®を75袋、またはスクラロースを含むSplenda®を23袋以上摂取しない限り、現行の安全基準を超えることはないとされています。

したがって、通常の飲料量であれば健康被害のリスクは極めて低いと考えられます。
脳や腸内環境への間接的影響

血糖への直接的影響以外にも、人工甘味料が脳の報酬系や腸内細菌のバランスを変化させる可能性が指摘されています。
複数の研究レビューは、甘味料の摂取によって善玉菌と悪玉菌の比率が変化し、糖代謝や食欲調整に関わるホルモン分泌が乱れることが示唆されています。
また、人工甘味料が「甘味を感じるがカロリーを得られない」というギャップを脳に与えることで、本物の糖分を欲する衝動を引き起こすとも言われています。
また、人工甘味料の摂取を一週間控えるだけで砂糖への渇望が大幅に減少したと報告されています。
健康的な選択としての次の一歩
現時点では、人工甘味料を含むダイエット飲料は「安全域内であれば問題ない」とされています。
しかし、多くの研究が短期間または観察的な性質であるため、長期的な健康影響については依然として不確実な点が多いのが実情です。
少なくとも、どんな甘い飲み物、およびゼロカロリーを謳う飲み物であっても、健康的であるとは言えません。
もし健康への影響が気になる場合は、ダイエットコークを月に一度だけなど、「時々楽しむ程度」に留め、水、炭酸水、または無糖のお茶を中心にするのが望ましいといえます。
これにより、糖代謝への負担を軽減し、腸内環境を良好に保つことが期待できるでしょう。
まとめ
・人工甘味料は血糖を直接上げないが、長期的には代謝やインスリン感受性に影響を及ぼす可能性がある
・アスパルテームなどの甘味料は、精神的健康や認知機能への影響が指摘されているが、科学的結論はまだ確定していない
・しかし、通常の甘味料を含む甘い飲み物は、できるだけ避けることが好ましい


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