科学

短時間ウォーキングが効果的!代謝アップの秘訣は歩き方にあり(ミラノ大学)

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日々のウォーキングをさらに効果的にするためには、歩き方を少し工夫することが良さそうです。

  

イタリア、ミラノ大学の研究によると、短い間隔で歩く「小休止を取り入れたウォーキング」を取り入れることで、同じ距離をずっと歩くよりも代謝が高まり、より多くのエネルギーを消費することが分かりました。

  

この発見は、ダイエットや健康維持を目指す方だけでなく、リハビリや運動療法においても新たなアプローチを提供する可能性があります。

  

従来の「1日10,000歩」という目標だけでは測れない、効果的なエクササイズ法を知るきっかけになるかもしれません。

 

以下にて記事をまとめていきす。

  

参考記事)

This Small Tweak Makes a Huge Difference to Your Daily Walk(2024/10/18)

  

参考研究)

Move less, spend more: the metabolic demands of short walking bouts(2024/10/16)

 

  

研究の概要

  

ミラノ大学によって行われた研究から、ウォーキング中にほんの少しの休憩を入れることで、酸素の消費量や代謝の向上が見られることが明らかになりました。

  

調査は、27歳前後の健康な男女10名(男性5名、女性5名)を対象に行われ、参加者たちは10秒、30秒、60秒、90秒、240秒の間隔でステアクライマーやランニングマシンを使用してエクササイズを実施しました。

  

実験の前後には、安静時と運動後の酸素消費量を測定し、特に240秒の運動中には定常状態の効果を評価するため、運動中の酸素摂取量を4回に分けて測定しました。

  

研究者たちは「我々の結果は、短い間隔で運動した方が、同じ運動を長い時間やるよりも酸素摂取量や代謝コストが大きいことを示している」と報告しています。

  

特に、30秒間隔で運動するグループは従来の定常状態のウォーキングに基づく基準値よりも、20〜60%も多くの酸素を消費していました。

  

これは、長時間のウォーキングでは体が効率的に動作するように適応するため、短い間隔の方がよりエネルギーを消費することを意味します。

  

酸素の消費量は運動中のエネルギー使用量を測る指標とされており、この研究はウォーキングによるカロリー消費の計算において、歩行時間の長さが大きな影響を与える可能性があることを示しています。

  

  

短いウォーキングの効果

この研究の筆頭著者であるフランチェスコ・ルチアーノ氏らによると、従来の持続的な歩行(定常状態の歩行)でエネルギー消費量を計算する方法では、短い間隔でのウォーキングのエネルギー消費を過小評価しているとのことです。

これはエネルギーを燃やそうとしている人々にとってだけでなく、エネルギーを節約したいと考えている人々にとっても重要な情報です。

  

肥満や脳卒中の治療やリハビリにおいて、短いウォーキングプログラムが利用されることが多いため、こういったプログラムにおいても影響が考えられます。

  

また、運動の効果を得ながらも体重減少を防ぎたい摂食障害の治療プログラムにも有益です。

  

短い間隔での運動のコストを理解することは、低い有酸素フィットネスや代謝の調節に時間がかかる人々にとって非常に重要となる」と研究チームは述べています。

  

  

10,000歩の起源

  

1日1万歩」という目標は、1960年代に日本で生まれたものです。

 

この数字の起源は、1965年に山佐時計計器株式会社が発売した「万歩計」に由来するとされています。

 

「1万歩」という指標は、科学的な根拠から導き出されたわけではなく、マーケティング的な発想で設定されたものでした。

  

しかし、「1万歩」という数字は、その後の研究や健康ガイドラインである程度の有効性が確認されるようになっていきます。

  

日常的に歩くことが、心血管の健康や体重管理、糖尿病予防、ストレス軽減などに良い影響をもたらすことが分かっているため、1万歩は「健康的な日常活動量」の目安として広く知られるようになったのです。

  

ただし、最近の研究では、必ずしも1万歩にこだわる必要はないことも分かってきています。

  

例えば、1日7,000〜8,000歩程度でも十分に健康効果が得られる場合があり、個々の健康状態や生活スタイルに合わせて歩数目標を設定することが推奨されています。

  

  

まとめ

・短時間のウォーキングは、長時間の歩行よりも代謝が高まり、エネルギー消費が増加した

・10,000歩の目標は効果が一定ではなく、歩き方次第で効果が異なる

・30秒の短い歩行を断続的に行うことは、酸素消費とカロリー消費量の増加に関係していた

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