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抹茶とコーヒー、どちらが健康に優れているかを比較

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コーヒーと抹茶、どちらも抗酸化物質やカフェインを豊富に含み、日々の生活に欠かせない飲み物として人気があります。

 

しかし、どちらがより健康に良いのでしょうか。

 

一般的に、コーヒーは疲労回復やうつ症状の軽減に効果があり、抹茶はリラックス効果や集中力の向上に優れていると言われています。

 

今回の記事では、コーヒーと抹茶のそれぞれの健康効果を比較し、最適な選択肢を見つけるきっかけになるようまとめていきます。

 

参考記事)

Is Coffee or Matcha Better For Health?(2024/09/02)

 

参考研究)

Health Benefits and Chemical Composition of Matcha Green Tea: A Review(2020/11)

Coffee, Caffeine, and Health Outcomes: An Umbrella Review(2017/08)

The potential effects of chlorogenic acid, the main phenolic components in coffee, on health: a comprehensive review of the literature(2017/04/08)

 

 

コーヒーと抹茶、どちらが健康に良い?

 

日本ではお馴染みの抹茶ですが、海外でもその人気が高まる中、カフェイン飲料としてコーヒーから抹茶に切り替えることを考える人も少なくありません。

 

抹茶は、独特な風味を持ち、抗酸化物質やアミノ酸が豊富で、がん予防や認知機能の向上など、さまざまな健康効果が期待されています。

 

一方、コーヒーも抗酸化物質が豊富で、デロンギ・ジャパン株式会社の調査によると、日本の成人(20~69歳)の74.6%約が自宅で毎日コーヒーを飲んでいることが示されています。

 

研究によると、コーヒーを飲むことで炎症、2型糖尿病、うつ病の予防に役立つ可能性があるとされています。

  

抹茶とコーヒーのどちらも健康に良い効果がありますが、どちらがより健康に良いのでしょうか?

 

抹茶とコーヒーのそれぞれの利点、類似点や相違点について見ていきましょう。

 

 

コーヒーのメリット

 

まずコーヒーは、抗酸化物質とカフェインが豊富であり、脳の目覚めさせると同時に病気や老化への対抗手段として効果的です。

 

特にクロロゲン酸と呼ばれる抗酸化物質は、炎症を抑え、血糖値や脂質に良い影響を与える可能性があり、炎症やがんの予防や健康管理にも役立つとされています。

 

カフェインの有無にかかわらず、コーヒーを日常的に飲むことは2型糖尿病の発症率を下げることが研究で示されています。

 

ある研究では、コーヒー1杯ごとに糖尿病リスクが6%低下することが示されました。

 

これは、コーヒーの抗酸化物質や炎症を軽減する効果、腸内微生物への良い影響が関連していることが要因とされています。

 

さらに、コーヒーを飲むことはパーキンソン病のリスクを低減するともされ、コーヒーがパーキンソン病の発症に関与するタンパク質の誤生成を抑制する効果によるものと考えられています。

 

コーヒーはまた、脳の健康にも良い影響を与えるとされ、脳卒中後の認知症リスクの低下に関連しているという研究があります。

 

これに加え、一日400mlまたはカップ1.5杯のコーヒーを飲むことで、うつ病のリスクが低くなるという研究結果もあります。(参考:Coffee, Caffeine, and Health Outcomes: An Umbrella Review

 

 

抹茶のメリット

 

抹茶もまたカフェインと抗酸化物質が豊富な飲み物です。

 

特に抗酸化化合物の一つであるカテキンが豊富で、これがフリーラジカル(活性酸素)と呼ばれる有害な化合物のレベルを減少させることで、慢性疾患の予防に役立ちます。

 

研究によると、抹茶に含まれるエピガロカテキンガレート(EGCG)と呼ばれるカテキンを増やすことで、大腸がん、胆のうがん、胆管がんの予防に役立つことが示唆されています。

 

抹茶はまた、認知機能の向上にも寄与する可能性があります。

 

ある研究では、抹茶を毎日摂取することで、認知機能が向上(特に高齢女性)したことが示されました。

 

また、抹茶に含まれるカフェインとテアニンは、ドーパミンやセロトニン受容体の増加を促し、不安を軽減し、記憶力を向上させる可能性も示されています。

 

さらに、抹茶は代謝の健康にも良い影響を与えることが別の研究で示されおり、抹茶を飲むことで、高密度リポタンパク質(HDLコレステロール)の増加や血糖値の低下、抗炎症性サイトカインの増加が観察されました。

 

  

類似点と相違点

抹茶は1グラムあたり18.9~44.4mgのカフェインを含んでいますが、コーヒーは10~12mgです。

 

抹茶1杯のカフェイン量は38~89mg、一方コーヒー1杯は80~100mgのカフェインとなり、コーヒーの方が多くの摂取することになります。

 

抹茶とコーヒーはともに、抗酸化物質とカフェイン含有量により多くの健康効果を共有していますが、それぞれ異なる側面もあります。

 

例えば、抹茶はコーヒーよりもわずかに酸性度が低いです。

 

また、抹茶にはストレス軽減効果があるテアニンが含まれており、カフェインによる興奮作用を抑える効果も示されているなどの相違点もあります。

 

これらを踏まえると、カフェイン耐性が低い方や胃酸の逆流に悩む方には、抹茶が適していると考えられます。

 

一方、疲労を防ぐ効果やうつ症状を軽減する点では、コーヒーが優れていると言えます。

 

 

まとめ

・両方とも抗酸化物質やカフェインが豊富で、健康効果があるが、抹茶はテアニンが含まれており、ストレス軽減や集中力向上に寄与する一方、コーヒーはうつ症状の軽減や疲労回復に優れている

・コーヒーは炎症や2型糖尿病、うつ病のリスクを軽減し、抹茶はがん予防や認知機能の向上に効果があるとされている

・抹茶はコーヒーよりもカフェインと酸性度が低く、胃酸逆流やカフェイン耐性が低い人に適している

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