ダイエットソーダと通常のソーダのどちらを選ぶべきかという問いは、血糖値の管理や肝臓の健康を意識する人にとって、非常に身近でありながら判断が難しい問題です。
通常のソーダは砂糖を多量に含み、血糖値を急激に上昇させる一方、ダイエットソーダは人工甘味料を使用しているため血糖値への即時的な影響は小さいとされてきました。
しかし近年の研究では、どちらの飲料も長期的には肝臓や代謝の健康に影響を及ぼす可能性があることが示唆されており、単純に「ダイエット飲料=安全」「糖類入り飲料=危険」とは言い切れない状況になっています。
個人的には、健康の観点ではどちらも飲むべきではないと考えていますが、飲むと仮定した場合にどう考えるのかという知識として、以下に関連する研究をまとめます。
参考記事)
・Diet Soda vs. Regular Soda: Which Is Better for Your Blood Sugar and Liver?(2026/01/21)
参考研究)
・記事中にリンクを掲載
血糖値の観点ではダイエットソーダの方が良い?

血糖値への即時的な影響という観点に限れば、ダイエットソーダは通常のソーダよりも明らかに有利です。(Effects of Consuming Beverages Sweetened with Fructose, Glucose, High-Fructose Corn Syrup, Sucrose, or Aspartame on OGTT-Derived Indices of Insulin Sensitivity in Young Adultsより)
通常のソーダには、砂糖または高果糖コーンシロップが大量に含まれており、これらは摂取後すぐに消化・吸収されます。
特にフルクトースやグルコースは血液中に急速に入り込み、血糖値を短時間で上昇させます。
血糖値が急上昇すると、膵臓はインスリンというホルモンを分泌します。
インスリンは、血液中の糖を細胞内へ取り込み、エネルギーとして利用したり、脂肪として蓄積したりする役割を担っています。
しかし、インスリン抵抗性がある人では、この仕組みがうまく働かず、より大きな血糖値の変動が起こることが知られています。
その結果、膵臓はさらに多くのインスリンを分泌する必要に迫られ、代謝全体に負担がかかります。
実際に、糖分を多く含む飲料の高頻度摂取は、インスリン抵抗性、二型糖尿病、さらには心血管疾患のリスク上昇と関連していることが、複数の疫学研究で示されています。(Artificial Sweeteners and Risk of Type 2 Diabetes in the Prospective NutriNet-Santé Cohortより)
一方、ダイエットソーダはほとんど糖を含まず、アスパルテームやスクラロースなどの非栄養性甘味料によって甘味が付けられています。
これらの甘味料は血糖値を直接上昇させないため、短期的には血糖値やインスリン分泌の急激な変化を引き起こしにくいとされています。
ダイエットソーダも完全に安全とは言い切れない理由
ただし、ダイエットソーダが血糖値を上げにくいからといって、長期的に見て完全に安全であると断言できるわけではありません。
人工甘味料の長期摂取については、いまだ研究途上の部分が多く、結論が一致していないのが現状です。
一部の研究では、人工甘味料を継続的に摂取することで、食欲調節、腸内細菌叢の構成、さらにはインスリン感受性に影響を及ぼす可能性があると報告されています。(Artificial Sweeteners: A Double-Edged Sword for Gut Microbiomeより)
これらの変化は、直接的ではないものの、結果的に血糖コントロールや代謝の健康に影響する可能性があります。
さらに興味深い点として、通常のソーダとダイエットソーダの両方が、二型糖尿病のリスク上昇と関連しているとする研究も存在します。
ただし、これらの研究の多くは観察研究であり、因果関係を証明するものではなく、生活習慣全体や他の食事要因が影響している可能性も否定できません。
肝臓の健康という視点ではどちらも問題がある

肝臓の健康という観点から見ると、通常のソーダもダイエットソーダも、いずれも理想的な飲料とは言えません。
通常のソーダが問題視される最大の理由は、その高いフルクトース含有量です。
フルクトースは主に肝臓で代謝され、過剰に摂取されると脂肪へと変換されやすい性質があります。
この過程が長期間続くと、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)と呼ばれる状態に進行する可能性があります。(Metabolic Dysfunction–Associated Steatotic Liver Diseaseより)
MASLDは、かつて脂肪肝と呼ばれていた疾患概念であり、肝臓に脂肪が過剰に蓄積することで、炎症、線維化、さらには重篤な肝障害へと進行することがあります。
一方で、近年の研究では、ダイエットソーダも肝臓に対して完全に無害ではない可能性が示唆されており、通常のソーダと人工甘味料入りソーダの両方が、摂取量の少ない人と比べて、肝臓の炎症や脂肪蓄積と関連していることが分かっています。(Association of sugary beverages consumption with liver fat content and fibro-inflammation: a large cohort studyより)
また、United European Gastroenterologyで報告された大規模研究も注目されています。(Artificially sweetened and sugary drinks are both associated with an increased risk of liver disease, study findsより)
この研究では、糖分を多く含む飲料を多く摂取する人ほどMASLDのリスクが高いことが示されただけでなく、低糖または無糖飲料(ダイエットソーダを含む)を日常的に飲む人でも、同様にリスクが高い可能性があると報告されています。
血糖値と肝臓以外にも考慮すべき影響
ソーダの影響は、血糖値や肝臓にとどまりません。
体重管理の観点では、通常のソーダは糖類からなるカロリーを多く含み、体重増加につながりやすいとされています。
一方、ダイエットソーダはカロリーを含みませんが、一部の研究では人工甘味料が食欲や空腹感の調節に影響し、結果として体脂肪の増加と関連する可能性が指摘されています。(Non-caloric sweetener effects on brain appetite regulation in individuals across varying body weightsより)
また、心血管代謝リスクという点では、通常のソーダに含まれる添加糖が、二型糖尿病や心血管疾患のリスクを高めることは比較的強いエビデンスがあります。(Sugar- and Artificially Sweetened Beverages Consumption Linked to Type 2 Diabetes, Cardiovascular Diseases, and All-Cause Mortality: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Cohort Studiesより)
一方、ダイエットソーダについては、影響がないとする研究と、頻繁な摂取が心疾患リスクと関連するとする研究が混在しており、結論は一貫していません。
これらを総合的に考えると、血糖値への即時的な影響という点ではダイエットソーダが通常のソーダより有利に見えるものの、長期的な代謝や肝臓の健康を含めて評価した場合、どちらも安心して勧められる飲料とは言えません。
通常のソーダは糖分過多による明確なリスクがあり、ダイエットソーダもまた、人工甘味料の影響について不確実性が残されています。
こうした点を踏まえると、健康を最優先に考えるのであれば、ソーダもダイエットソーダも日常的に飲まない選択が最も合理的であり、水や無糖のお茶などを基本とした飲料習慣が望ましいと言えるでしょう。
まとめ
・血糖値の短期的な管理という点では、ダイエットソーダは通常のソーダより有利
・肝臓の健康に関しては、通常のソーダだけでなくダイエットソーダにも潜在的なリスクが示唆されている(ただし因果関係は未確定です)
・いずれのソーダも日常的・大量摂取は避け、水や無糖飲料を基本とすることが望ましいと考えられる

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