7時間未満の睡眠は寿命を縮める

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睡眠不足は単に日中の眠気や集中力低下を招くだけではなく、気づかぬうちに人生そのものの長さに影響を及ぼしているかもしれません。

 

アメリカ全土を対象とした大規模な分析によって、十分な睡眠を確保できていない人ほど平均寿命が短い傾向にあることが明らかになりました。

 

この関連性は、食生活の乱れや運動不足、社会的孤立よりも強く、研究者たちは「睡眠は長期的な健康における、最も過小評価されている柱の一つだ」と指摘しています。

  

今回のテーマは、そんな睡眠と寿命についての研究についてです。

  

参考記事)

Sleeping less than 7 hours could cut years off your life(2026/01/10)

  

参考研究)

Sleep insufficiency and life expectancy at the state-county level in the United States, 2019–2025(2025/12/08)

  

 

全米規模のデータが示した「睡眠と寿命」の関係

 

本研究では、アメリカ国内の郡(カウンティ)レベルにおける平均寿命のデータと、生活習慣に関する大規模調査結果が詳細に分析されました。

  

研究チームは、2019年から2025年にかけてCenters for Disease Control and Prevention(CDC)が収集した全国調査データを用い、地域ごとの平均寿命と生活習慣の関係性を統計モデルによって比較しています。

 

その結果、睡眠時間の不足は、寿命との関連性が極めて強い要因であることが示されました。

 

具体的には、食事の質、身体活動量、社会的孤立といった一般に健康と深く結びついていると考えられてきた要素よりも、睡眠時間の影響のほうが大きかったことが示唆されました。

 

Sleep insufficiency and life expectancy at the state-county level in the United States, 2019–2025より

   

唯一、睡眠以上に寿命との関連が強かったのは喫煙でした。

   

この研究成果は、学術誌『SLEEP Advances』に掲載され、睡眠研究の分野においても注目を集めています。

  

 

研究を主導したOHSUの研究者の驚き

オレゴン職業健康科学研究所に所属しているAndrew McHill氏は、本研究の結果について次のように述べています。

 

ここまで寿命と強く相関しているとは正直予想していなかった。睡眠が重要であることは以前から分かっていたが、この研究はその重要性を改めて突きつけている。可能であれば、人は本当に7〜9時間の睡眠を目指すべき。

  

睡眠が健康に良いという認識は広く共有されているものの、寿命という長期的な指標とここまで密接に結びついている点は、専門家自身にとっても驚きだったようです。

  

また、研究者たちは、睡眠不足が寿命を左右する要因として、食事や運動を上回る指標となった点に特に注目しています。

 

これまでの健康啓発では、バランスの取れた食事や定期的な運動が強調されることが多く、睡眠は後回しにされがちでした。

  

しかし今回の分析では、睡眠時間が十分であるかどうかが、どれだけ長く生きられるかを予測する上で、極めて重要な変数として機能していたのです。

 

McHill氏自身も、「理屈としては理解できるが、実際にすべてのモデルでここまで一貫して現れるのは印象的だった」と語っています。

 

 

全米50州を対象にした初の年次比較研究

過去の研究でも、睡眠不足と死亡リスクの関連は指摘されてきましたが、本研究は全米すべての州を対象に、年ごとの変化を追跡した初めての研究とされています。

  

研究チームは、CDCが定義する「十分な睡眠」=1晩あたり7時間以上という基準を採用しました。

 

この基準は、American Academy of Sleep MedicineおよびSleep Research Societyの推奨とも一致しています。

 

分析対象となったほぼすべての州、そしてすべての年において、睡眠時間と平均寿命の間には明確な関連性が確認されました。この一貫性は、結果の信頼性を高める要素となっています。

  

 

なぜ睡眠は寿命に影響するのか

  

本研究では、睡眠と寿命を結びつける生物学的メカニズムそのものは直接検証されていません

 

そのため、因果関係の詳細については今後の研究が必要です。

 

ただしMcHillは、睡眠が心血管の健康、免疫機能、脳のパフォーマンスにおいて重要な役割を果たしている点を指摘しています。

 

睡眠不足が慢性化すれば、炎症反応の亢進やホルモンバランスの乱れ、代謝異常などを通じて、長期的な健康リスクを高める可能性があります。

  

私たちは食事や運動と同じくらい、睡眠を優先する必要がある」とMcHillは述べています。

 

なお、本研究は観察研究であり、睡眠不足が直接寿命を短くする因果関係を証明したものではありません

 

また、郡レベルの平均データを用いているため、個人レベルでの生活状況を完全に反映しているわけではない点も考慮する必要があります。

 

そのため、「睡眠時間を増やせば必ず寿命が延びる」と断定することはできませんが、睡眠不足が健康全体にとって重大なリスク指標である可能性を示した点に、本研究の意義があるとされています。

   

  

まとめ

・睡眠時間が7時間未満であることは、食事や運動不足以上に寿命と強く関連していた

・全米すべての州・複数年にわたり、睡眠と平均寿命の一貫した関連が確認された

・因果関係は未解明ですが、睡眠を健康の最優先事項として捉え直す必要性が示唆された

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