昔から温泉施設には、サウナが併設されていることがよくあります。
子どもの頃は、そういった灼熱の空間が何のためにあるのか分かりませんでした。
近年では、サウナの健康効果に注目が集まっており、裸の付き合いだけでない心身へのメリットが強調されるようになっています。
正直自分は今でもサウナが苦手で、興味本位で入ることしかないため、詳しい効能などを知る機会がありませんでした。
しかしこの度、知人の勧めでサウナに入る機会に恵まれたため、“サウナを使用することの健康上の利点”について調べたことをまとめたいと思い記事にしました。
以下にそれぞれの利点を記していきます。
参考記事)
・Are Saunas Good for You? Facts and Tips(2023/11/20)
参考研究)
・Sauna use as a lifestyle practice to extend healthspan(2021/10/15)
・Sauna bathing reduces the risk of respiratory diseases: a long-term prospective cohort study(2017/09/13)
サウナを使用することの健康上の利点
①心臓や脳を健康に保つ
14年にわたる長期研究では、週に2〜3回サウナに入ると、週1回の運動と比較して、心血管疾患で死亡するリスクが25%低く、週に4〜7回サウナに入る場合、そのリスクは77%減少したことが分かりました。
また、サウナで過ごす時間が長いほど、心にとっても良い影響があることが分かりました。
②認知症、アルツハイマーリスクの低減
フィンランドの中年男性を対象とした研究では、週に2〜3回サウナに入ると、週に1回の人と比べて認知症のリスクが22%減少、アルツハイマー病のリスクが20%減少したことが示されました。
この研究は、サウナを頻繁に利用することで血管機能の改善、血圧の低下、炎症の軽減など脳機能に関連するさまざまなバイオマーカーに影響を与えることを示唆しています。
③呼吸器系疾患のリスク低減
加えて、英国とフィンランドによるサウナ入浴と呼吸器疾患の関連性を調べた研究では、週に2〜3回または4回以上サウナに行った対象者は、そうでない対象者と比較して、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、肺炎などを発症する可能性が低いことも分かりました。
④気分の高揚と筋肉維持
サウナと老化について調べた研究では、熱によるストレスによって中枢神経系および末梢神経系のニューロンに作用するタンパク質が活性化され、不安やうつ病を改善する可能性が示唆されています。
また別の研究では、サウナの使用は、筋肉量を維持し、サルコペニア(老化に伴う筋肉量の減少及び筋力の低下)に対抗することも示されています。
リスクと注意事項と禁忌
サウナに入ることは、多くの人にとって安全な健康法ですが、以下のような注意点もあります。
・サウナ前の飲酒(による脱水)
・疲労
・ナトリウムやカリウムなどの電解質の損失
・筋肉のけいれん
主に脱水による健康被害が懸念され、これを怠ることで健康を得ることとは逆効果になることにも注意が必要です。
また、禁忌の事項として、以下を経験した人はサウナの使用を避けるべきとされています。
・発熱を伴う急性疾患
・汗機能の変化または減少
・心臓に機能上の問題がある
・炎症性皮膚の状態
・不規則な心拍
・低血圧
・最近、心臓発作起こした
・切り傷やその他の傷のような皮膚の問題
・脳卒中または一過性虚血発作
・狭心症(胸の痛み)
サウナを楽しむために
サウナを楽しむための大前提として、「無理をしない」ことが挙げられます。
誰かと我慢比べをするのではなく、自分の心地よさを最優先することが大切です。
初心者は1回ごとに10〜15分以内の使用が推奨されています。
慣れてくれば、毎日最大45分程度はサウナに入っても良いそうです。
研究者は、2〜3日ごとに5分ずつ入る時間を長くすることを提案しています。
水分補給も大切な事項です。
サウナ前、最中、後に十分な水分を飲むことが不可欠で、可能なら塩などのミネラル(電解質)と一緒に摂取することが望ましいです。
まとめ
・サウナの主なメリット
①心臓や脳を健康に保つ
②認知症、アルツハイマーリスクの低減
③呼吸器系疾患のリスク低減
④気分の高揚と筋肉維持
・サウナの前、中、後にしっかり水分補給をする
・初心者は1回ごとに10〜15分以内の使用が推奨
・心臓に問題がある場合は利用してはいけない
サウナを使用することは、かなりのメリットがある反面、利用に注意が必要なようですね。
身体的、精神的な健康に役立ち、血圧の安定や気分の改善などなど、潜在的な利点を享受するためにも、水分補給や時間管理などに気をつけて入ろうと思います。
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