今回はブロッコリーに含まれる成分の一つである、「スルフォラファン」についてのお話です。
予防おばけスルフォラファンの力をまとめてみましたのでご覧ください。
【目次】
①スルフォラファンの発見経緯
②スルフォラファンの効果
③スルフォラファンを含む野菜
⇒オススメはよく噛んでたべることです
④スルフォラファンの適量
⇒なぜ3日ごとなのか…?
⇒なぜ1パック(50g)なのか…?
⑤終わり
【①スルフォラファンの発見経緯】
スルフォラファンの発見者であるジョンズホプキンス大学のポールタラレー博士は、野菜や果物を多く摂取している人間はガンになりにくいことや、アブラナ可の野菜などの抽出液には細胞を保護する物質があることなどを発見。
その物質がスルフォラファンだということを突き止め、ガンや老化による慢性的な疾患予防に効果があるということを明らかにしてきました。
参考)ジョンズホプキンズ大学基礎生物医学研究所より
【②スルフォラファンの効果】
・抗酸化作用 ⇒ 美肌、白髪防止
・解毒作用 ⇒ デトックス効果
・うつ病、自閉症予防
・抗炎症作用 ⇒ ガン尿病予防
・アポトーシス促進 ⇒ ガン予防
・運動性酸化ストレス ⇒ 軽減運動耐容能の向上
など身体の様々な酸化・炎症から守ってくれることが分かってきています。
抗酸化作用によって、老化の原因とされる活性酸素種などから肌や血管を守り、生活習慣病なども予防してくれます。
ヒト由来の細胞でスルフォラファンの抗酸化酵素の実験をしたところ。
測定した3つ全ての抗酸化酵素の活性が上昇、120時間以上活性が高い状態が続きました。
【③スルフォラファンを含む野菜】
・ブロッコリー(特にブロッコリースプラウト)
・ケール
・キャベツ
・カリフラワー
などなどありますが、ダントツで多いのはやはりブロッコリー。
その中でもブロッコリーの芽(スプラウト)が含有量が多いです。
SGS:スルフォラファングルコシノレートというものがスルフォラファンの素。
同じ植物細胞内のミロシナーゼという酵素と反応してスルフォラファンに変化します。
このミロシナーゼは、植物細胞を破壊した際に細胞内から現れる酵素です。
なので、噛んだり・刻んだり・すり潰したりすることでスルフォラファンの生成率がアップします。
★オススメはよく噛んで食べることです
すり潰しが一番ミロシナーゼの発生率が高いですが、毎回やっているのも手間ですし、準備もめんどくさいです。
咀嚼によるセロトニンの増加や満腹感への影響も考えて、よく噛んで食べる方法がオススメです。
【④スルフォラファンの適量】
どれくらいの頻度でどれだけのスルフォラファンを摂取するといいのか…?
現在のところ、ヒトを基準とした理想的な適量はまだ分かっていません。
ブロッコリースプラウトを例にマウスによる研究から、人間への適量換算をした値を参考にまとめます。
結論から言うと…
3日に1パック(50g)程度のブロッコリースプラウトもしくはブロッコリースーパースプラウト(発芽3日目のスプラウト)の摂取が適量かと考えられます。
★なぜ3日ごとなのか…?
スルフォラファンの抗酸化酵素の実験では、120時間以上も活性状態が続きました。
その中でも一番活性が強かった時間が、48時間~72時間を経過した時です。
そのことから、3日毎の摂取はひとつの基準になると考えています。
★なぜ1パック(50g)なのか…?
スルフォラファンの含有量が一番多いものが、発芽3日目のブロッコリースプラウト。
これをブロッコリースーパースプラウトと言います。
・ブロッコリースーパースプラウトに含まれるスルフォラファン量
⇒125mg/50g(1パック目安)
・マウスの研究から換算する人間への有効推定量
150lb=68kgの人は⇒7~34mg
200lb=90kgの人は⇒9~45mg
250lb=113kgの人は⇒11~57mg
ブロッコリースーパースプラウト1パックでは有効推定量を越していますね。
今のところ摂り過ぎによる弊害は報告されていません。(自分の調べた限り)
不安があれば、一般的なブロッコリースプラウトを摂取する選択もありかと思います。
一般的なブロッコリースプラウトのスルフォラファン含有量
⇒約30~44mg/50g(1パック分)
以上のことから、1パック分(50g)程度のブロッコリースプラウト及びブロッコリースーパースプラウトの摂取が適量かと考えられます。
【⑤終わり】
いかがでしたでしょうか、スルフォラファンの力。
更に面白いのは、幼少期にスルフォラファンの前駆体であるスルフォラファングルコシノレートを摂取しておくと、成人になって炎症性のうつ病の予防にもなる可能性も発見されています。
逆に一体何ができないの?
こうなったらもうブロッコリースプラウトを育てるしかないじゃないか!(怒り)
参考文献)
スルフォラファンによる転写因子Nrf2の賦活化が運動耐容能に与える影響 2017年
ブロッコリースプラウトを用いた精神疾患の発症予防の可能性 2016年
野菜・果物の健康有用性– ファイトケミカルの多様な機能とその仕組み – 2015年
スルフォラファン含有食品, ブロッコリースプラウト摂取による H. pylori 胃炎軽減作用と胃癌予防の可能性 2007年
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