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この記事では、ジャン・ジャック・ルソーが著した“エミール”から、子育てや生活に役立つかもしれない言葉を抜粋して紹介していきます。
“子どもは子どもの教育が必要である”と考えたルソーの考えを、1記事に3つずつまとめていきます。
またそれらの言葉がこの本の要約にもなるので、よろしければ参考までにどうぞ!
「女性の力はその魅力にある。」
男性の値打ちはその力にある。
男性は強いということだけで十分に気に入られる。
これは恋愛の法則ではない、ということは私も認める。
しかし、これは自然の法則であって、恋愛そのものにさえ先行することだ。
女性の力はその魅力にある。
その魅力によってこそ女性は男性に働きかけてその力を呼び起こさせ、それを用いさせることになる。
男性の力を呼び起こす最も確実な技巧は、抵抗することによって力の必要性を感じさせることだ。
そうなると欲望に自尊心が結びついて、一方は他方が獲得させてくれる勝利を勝ち誇ることになる。
そういうことから攻撃と防御、男性の男性の大胆さと女性の臆病、そして、強い者を征服するように自然んが弱いものに与えている武器、慎みと恥じらいが生じてくる。
「男と女と同じようにつくられてはいない。」
プラトンは国家篇の中で、女にも男と同じ訓練をさせている。
彼の国家では個々の家族を廃止してしまったので、婦人をどうしたらいいか分からなくなったプラトンは、女を男にしなければならなくなったのだ。
私は、いたる所で差別なしに男女に同じ職務、同じ仕事をさせ、とても我慢のならない弊害を生み出さずにはおかない、社会的混乱について語る。
男と女とは、性格においても、体質においても、同じようにつくられてはいないし、同じようにつくられるべきではないということが証明されれば、男と女とは同じ教育を受けるべきではないということになる。
男と女とは、自然の指示にしたがって、協力して行動しなければならないが、同じことを成すべきではない。
「お嬢さんを立派な男にしようとして、自然を否認するようなことをしてはならない。」
両性に共通にある能力も、全てどちらにも同じ程度に与えられているわけではない。
しかし、全体においてみれば、その差は相殺されている。
女は女として優れており、男と考えれば劣っている。
女の権利を利用していれば、いつも女は有利な立場にある。
男の権利を奪おうとすれば、必ず女は男よりも低いところでとどまる。
女性に男性の利点となることを学ばせ、女性固有のものをおざなりにさせるのは、明らかに女性の不利になるようにすることだ。
わたし達の有利な立場を手に入れようとしながらも、そういう女性は自分のものを捨てようとはしない。
けれども、そういうことをしていると、その二つのものは両立しないのだから、どちらも完全に手に入れられず、今よりも低い立場にとどまってしまうことになる。
思慮深い母親よ、私の言葉を信じていただきたい。
お嬢さんを立派な男にしようとして、自然を否認するようなことをしてはならない。
立派な女にするのだ。
そうすれば、お嬢さん自身にとっても、私たち男性にとっても遥かに価値のあるものになることは確実だと思っている。
まとめ
今回は男女のあり方についての文章を抜き出させていただきました。
(またこの辺で女性の出産についての話もありましたが、センシティブな内容なので割愛させていただきました。)
現在でも男女平等に対する議論は盛んに行われていますが、当時も似たようなことが起こっていたことが文から読み取れます。
どうした方がより良いのかをここで話すつもりはありませんが、男性には男性にしかできないことが、女性には女性にしかできないことがあるというのは同意します。
互いの特性を理解し、お互いが足りないところをカバーできる世の中になるといいですね!
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