シルル紀を語る上で外してはいけない生き物(植物)がいます。
クックソニアです。
形が確認できる最古の陸上植物と言われており、シルル紀以降、生物の地上進出に大きな影響を与えました。
植物の地上進出
一つ前の時代(オルドビス紀)ではすでに藻や苔類の植物や水辺や陸上に進出していました。
乾燥や紫外線など、地上に出たばかりの彼らにとっては過酷な環境であったため、まだ進出の範囲が湿った場所に限定されていました。
植物の陸上進出には諸説ありますが、一般的には海中の植物が酸素を作るようになりオゾン層が形成されたためと言われています。
オゾン層が宇宙から降り注ぐ紫外線などの有害物質を防いでくれるようになったことから、地上でも生物が活動できる基盤が整ったと考えられています。
その中でも先陣を切って茎を伸ばしていった植物がクックソニアです。
クックソニア
先端にラッパの口のような胞子嚢があり維管束はありません。
この特徴はコケ植物とよく似ています。
画像に現れていますが、二叉分枝と呼ばれる二股に茎(や枝)が別れる特徴もあります。
これは現代で言うところのシダ植物によく似ています。
しかし厳密にはそれまでのコケ植物ともこれからのシダ植物とも違うため、リニア植物と呼ばれています。
Y字型の茎は葉緑体を生成することができ、それまでの植物とは比べものにならないレベルで光合成と成長を可能になりました。
正に植物の祖のような存在ですね!
また内部からの水分の蒸発を防ぐために“クチクラ層”という蝋質の層がありました。
さらにクチクラ層で塞いでしまうと二酸化炭素などの外気を取り込むことができないため、気孔が発達していたことも化石調査から分かっています、
乾燥した場所で繁殖するのに適している胞子、自身の乾燥を防ぐための気孔……。
こうして地上に進出したクックソニアや他のリニア植物は、デボン紀以降驚くべき変化を遂げていきます。
一体どのような変化なのか……。
それについては今後のデボン紀以降の記事にて!
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