自由主義と政治制度
政治哲学において個人主義や平等、自由を重んじる立場を“自由主義”と言われます。
自由主義と政治制度は密接に関係していて、個人には利益たる願望や欲求があり、政治制度はこの個人の利益を保証する場合のみ正当とされているとされています。
自由主義における政治制度の目的は、“個人の利益を実現すること”と言えるのです。
自由主義と平等
ジョン・ロック
人は元々、財産に対する自然権を持っている。
自由主義では、“全ての市民は政府から平等に扱われなければならない”と考えられています。
思想家で政治哲学者のジョン・ロックは、“財産に対する権利は、いかなる政府が作られる以前から存在する”と主張し、政治よりも古い所有権を主張するのは、きわめて限定的な場合のみ認められると主張しました。
対して政治哲学者ジョン・B・ロールズらは、“貧富の差が大きいときには真の平等は実現しない”とも主張していて、現在でも論じられる話題でもあります。
自由主義と“自由”
自由主義の政治理論では、政府は市民の自由を守る必要があり、政府の価値は個人の利益を保証するのに役立つことにあると考えられます。
人々は政治制度とは無関係に自由を持っており、このことから政治制度によって正当な理由なく個人の自由を制限することはできないとされています。
では自由を制限する正当な理由とは具体的にどのようなことなのでしょうか?
個人的利益のために集団的利益が損なわれるのは、果たして良い事なのでしょうか?
こういった意見の線引きは、現在でも結論が出ていません。
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