さて今回はルネサンス期に関係する話題です。
14世紀から始まったとされるルネサンス期。
ラテン語で「再生」を意味するrenascere(レナースケレ)を語源とし、古代ギリシャ・ローマ文化の再生が始まった時期です。
中学校でも「ルネッサンス=文芸復興」として教えられていますね。
個性の復興
では、どんなものを復活させたのか…?
例えばこれ。
古代ローマで評価されていた人間の裸体。
ルネサンス期以前のキリスト教の支配が強い時代(中世)では、偶像崇拝の禁止など信者としての生き方が重視されてきました。
女性はあるべき姿(聖女)で描かれ、表情は悟りを開いたような顔をしている作品が多いです。
というのも、教会としては字の読めない信者に聖書の物語を伝えることが目的であったため、それ以外の個性が入ることを良く思わなかったとされています。
そんな時代から一転、東ローマ帝国が衰退したことや当時貴重だった香辛料を独占的できて富を得たこと、抑圧されていた民にキリスト教以外の文化が刺激を与えたことで、イタリアを中心にルネサンスが始まります。
この文芸の復興が、個性を抑圧した時代から人間らしさを取り戻し、文化が華やかに発展する時代への転換期になったのです。
ルネサンス期の作品
ダビデ像をご存じの方は多いと思います。
あのゴリアテと戦い勝利した青年の像です。
ゴリアテと戦う前の勇ましい姿で佇むダビデです。
これもルネサンス期の作品ですが、この有名なダビデ像が作られるよりも前に、ドナテッロ・フィレンツェによってもダビデ像がつくられています。
それがこれ。
ゴリアテに勝利した後のダビデをモチーフにしています。
足元にはゴリアテの首が転がっていますね。
なぜこの像を紹介したかというと、このドナテッロによるダビデ像こそが、古代以降では初の自立する裸の像だからです。
他に有名なものと言えば、サンドロ・ボッティチェリの作品である「ヴィーナスの誕生」ですね。
禁忌とされていた、神を絵として描いたことや女性の裸体を表現することは、当時かなりの衝撃を与えたことでしょうね。
確かに、これらの文化の発展から比べると、それ以前の時代を暗黒時代と言いたくなる当時の人たちの気持ちも分かりますね。
今が暗黒時代じゃなくて良かった・・・。
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