の続き…。
根の国を脱出を試みる
虱取りの試練をクリアしている間に眠ってしまったスサノオ。
オオナムチとスセリビメは、これはチャンスとばかりに根の国脱出を図ります。
寝ているスサノオの髪の毛を近くの柱に結び、身動きが取れないようにした上、500人力でやっと動かすことのできる大岩で部屋の出入り口をふさぎます。
二人は生太刀と生弓矢と天の沼琴(あまのぬこと)を持って根の国から逃げようとします。
しかし、逃げる途中にスセリビメの持っていた琴が木にぶつかり、根の国に響き渡るほどの音を出してしまいます。
オオナムチ、大国主(オオクニヌシ)の名を授かる
大地が揺れ動く程の轟音に目を覚ましたスサノオ。
二人を追いかけようとしますが、髪の毛が柱に絡まり思うように動けません。
家ごと引き倒し、やっとほどけた髪の毛を整える暇もなく二人を追います。
しかし時すでに遅し、二人は遠くへ逃げ去っていました。
スサノオは根の国(黄泉)と地の国(地上)との境である、黄泉比良坂(よもつひらさか)まで追い、オオナムチに向かって叫びます。
「その生太刀と生弓矢でお前の兄弟(八十神)たちをやっつけろ!」
「山のすそ、川の瀬に追い立て打ち払え!」
「大国主神(オオクニヌシのかみ)を名乗り、我が娘を正妻とし出雲の地に壮大な宮殿を立てろ!こ奴め!」
頑固親父がオオナムチを認めた瞬間でした。
こうしてオオナムチ改めオオクニヌシは、無事に根の国から地上に戻ることになったのです。
オオクニヌシ、八十神を滅ぼす
黄泉の国からパワーアップして戻ったオオクニヌシ。
父スサノオに言われた通り、生太刀と生弓矢で、大人数の兄弟である八十神を相手に圧倒。
山の裾、川の瀬に追い込んでは次々と追い詰め、遂には打ち滅ぼしてしまいます。
こうして、邪魔者がいなくなった土地で、オオクニヌシの国作りが始まっていくのでした…。
編集後記
いかがでしたでしょうか、オオナムチの人生。
意地悪な兄弟に殺されるレベルでいじめられていたオオナムチが、スサノオの元で試練を乗り越え?、最後は兄弟を見返すお話でした。
ここからはオオクニヌシとして国を治める話や、沢山の妻とのあれこれがあったりと、それはまた波乱万丈なストーリーがあります。
彼にはまだスサノオとの約束、「出雲の地に壮大な宮殿を立てろ」という言付けを全うしていないのですから。
それはまた別のお話で紹介できたらと思います。
それでは、また次の日本神話で!
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