の続き…。
八上姫、オオナムチを婿に選ぶ
助けた因幡の白兎と別れたオオナムチは、遅れながらも八十神(ヤソガミ)たちと八上姫(ヤガミヒメ)の元へ追いつきました。
八十神たちは全員で八上姫にアタックをしますが全員撃沈…。
八上姫が婿にと選んだのは、遅れて到着したオオナムチでした。
因幡の白兎の言葉通り、八上姫はオオナムチと結ばれることになりました。
今まで散々虐げてきた弟が選ばれたことに腹を立てた八十神たち。
話合った結果、彼らはオオナムチを殺す計画を立てます。
オオナムチ死す その①
オオナムチを殺す算段を立てた八十神たち。
手間の山(鳥取と島根の境)にオオナムチをおびき出すと、次のように言いました。
「ここいる大イノシシを捕まえる為にお前の手を借りたい。」
「我々が山の上からイノシシを追い立てるから、お前は下で捕らえろ。」
「もし失敗したら殺す…。」
オオナムチもこの作戦に渋々従います。
しかし、実際に山の上から彼に向かってきたものは、イノシシではなく真っ赤に焼けた大岩でした。
余りのスピードに避ける間もなく押し潰され、焼かれながら絶命します。
オオナムチ死す その②
オオナムチの一件を聞いた母刺国若比売(サシクニワカヒメ)は、天の神に息子を助けてもらうよう懇願します。
天の神は、赤貝とハマグリを擬人化した神様を送り、オオナムチを生き返らせることに成功します。
これを聞いて驚く八十神たち。
しかしまだ彼らの怒りは収まりません。
今度は、半分に割れた股に楔を打った大きな木の間にオオナムチを誘い込み、挟み殺そうと考えた八十神たち。
上の作戦が一次一句違わず成功し、オオナムチは挟み殺されてしまいます。
母の力で生き返る
これを聞いた母は、挟まれたオオナムチを探し出し、今度は自らの力で生き返らせます。(一度目の死もこれで良かったんじゃ…)
母は言います。
「ここにいたらあなたは八十神たちに滅ぼされてしまいます。」
「スサノオがいる国(根の国)に逃げなさい。」
そんなこんなしているうちに、八十神たちは弓に矢をつがえてオオナムチを引き渡すよう要求してきます。
最早殺意を隠す気はありませんね。
もう死ぬわけにはいかんと、即座に根の国に逃げるオオナムチ。
流石の八十神たちも、そこまでは追う気になりませんでした。
理由は、アマテラス、ツクヨミに並ぶ三大神の一人にして最も気性が荒いスサノオがいるからです。
ヤマタノオロチを打ち倒し、見方によれば英雄とされたスサノオの元にオオナムチが出向くのです。
続く…。
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