エジプト美術の中でも最も有名な作品のひとつであるネフェルティティの胸像。
1912年、エジプトのアマルナ近郊にて、考古学者のルートヴィヒ・ボルハルトによって発見されました。
古代の彫刻師トトメスの工房跡で見つかったもので、ボルハルトはこれを「壊れた陶器です」と偽って国外へ持ち出しました。
ネフェルティティとは
ネフェルティティは、エジプト紀元前1353年~1335年までを支配したファラオ、アメンホテプ4世の最も重要な王妃です。
アメンホテプ4世は、世を治める中で自らを「太陽神アテンに有益な者」を意味するアクエンアテンに名を改めました。
同時にネフェルティティは王に匹敵する地位と権力が与えられ、政治にも関与したとされています。
アクエンアテンの死後、神官たちの手によってネフェルティティの痕跡はほとんど消し去られたと考えられています。
胸像について
ネフェルティティの胸像は、今から約3400年前に作れたもので、高さは約50センチで、両方の耳たぶが欠けている程度のほぼ完全な状態で発見されました。
ただ、この胸像が王妃に似せて作られたのか、当時の美の理想を再現したのかは分かっていません。
なぜなら彼女の名を訳すと「美しい者が来た」という意味になるからです。
ネフェルティティの胸像は、現在ではベルリンの新博物館で見ることができます。
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