冷水に体を浸すことで様々な健康効果を得ることができる……。
自分は足を踏み入れたことがない領域ですが、グーグル検索では健康的な文言を見ることができるようです。
今回はそんな冷水で身体を冷やすこと健康についての研究のお話し。
メリットやデメリットをはっきり理解してからやった方が良さそうです。
参考記事)
・Cold Water Therapy Might Do More Harm Than Good. An Expert Explains.(2023.5.11)
参考研究)
・Cold water therapies: minimising risks
冷水療法
冷水に浸かるという行為は、これを好む人もいれば嫌う人もいます。
現在では多くの人が心身の健康に良いと信じ、毎週、あるいは毎日でも実践している行為です。
冷水療法は、湖、川、海などでの屋外水泳、冷水シャワー、さらには氷浴の形で知られるようになりました。
スポーツ選手の間では、運動後、約10℃〜15℃の冷水に10分間浸かることで、筋肉痛を軽減し、回復時間を短縮する方法として使用されてきました。
冷水は、うつ病、痛み、偏頭痛の症状の治療にも使用されており、この療法によって症状が楽になった例も報告されています。
しかし、2014年の研究によると、これらの効果はプラシーボ効果であることが指摘されています。
冷水療法や野外水泳の利点はまだ初期段階ではありますが、明らかになってきているのは、冷水に浸かることが、人体に対して有害な影響を与える可能性があるということです。
【研究】冷水療法とリスクと注意点【要約】
治療効果を目的とした活動の最低条件は“害を及ぼさないこと”です。
現時点では冷水を治療法として完全に裏付ける科学は存在せず、最適な効果を発揮する特定の持続時間や温度があるかどうかも分かっていません。
しかし、私達が知っていることは、冷水に長く浸かりすぎるのは良くないということです。
冷静に浸かることで起きる問題の一つが非凍傷性寒冷障害です。
寒さにさらされると、手足が冷たく感じるのと同時に、しびれを感じたり、暖まった時にチクチクしたり痛みを感じることがあります。
これは正常な反応ですが、非凍傷性寒冷障害の場合、神経や血管の損傷により、これらの症状が長年にわたって続くことがあります。
戦時中、冷たい長靴やブーツを何日も履いていたことで起こる寒冷障害だったこともあり、別名“塹壕足”とも呼ばれています
最近では、寝相の悪い人やウォータースポーツをしている人でもこういった症状が報告されています。
もう一つの問題は、この非凍傷性寒冷障害がどの程度の冷たさや晒された時間によって引き起こされるのかが分かっていないということです。
私達の体は、冷却に対しての反応は人それぞれ、多くの違いがあります。
例えばアフリカ、カリブ海の出身者は非凍傷性寒冷障害のリスクが高いようで、遺伝的な要因も絡んでいることが示されています。
また、冷たい水の中を泳ぐ水泳選手を対象とした2020年の研究では、彼らは寒さに敏感ではあるものの、皮膚の血管の損傷とは関連していないことも分かっています。
冷水に浸かりたい場合
もし、冷水療法を試してみたい場合は、次のことを考慮してください。
・事前に集中に相談し、それが安全であることを確認する
・一人ではないこと、潮の流れや水中の障害物水の汚染など、水やその周囲が安全であることを確認する
・冷水の中では筋肉がうまく機能せず、手足の感覚が鈍くなる可能性があることに注意する
・乾いた服や温かい飲み物など、冷えた体をすぐに温める用意をする
・冷水の中にいるのは短時間のみにし、しびれ、痛み、震えを経験する前に出る
まとめ
・冷水に浸かることの効果は判明していない
・少なくとも、水に浸かりすぎることはデメリットが多い
・もしやる場合は安全を確認した上で実施する
以上、冷水に浸かることの研究まとめでした!
スポーツでパフォーマンスを下げないために一時的に足を冷却したりする例は聞いたことがありますが、それを日常的にやることが良いかどうかは疑問符がつきます。
温泉の後で温まって疲れを取るということは、体でも実感できたり、温熱療法として研究ベースでもメリットがあることが分かっていますが、その真逆というのはなかなかチャレンジャーな考えだと思います。
あくまで個人的な感想ですが、体を冷やすことのメリットはほとんどないと考えています。
もし、冷水療法が後の研究によって効果が実証された場合は手のひらを返すかもしれません。笑
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