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この記事では、ジャン・ジャック・ルソーが著した“エミール”から、子育てや生活に役立つような言葉を抜粋して紹介していきます。
“子どもは子どもの教育が必要である”と考えたルソーの考えを、1記事に3つずつまとめていきます。
またそれらの言葉がこの本の要約にもなるようまとめていきます!
「女性に固有の天分は、器用であることであって、嘘つきであることではない。」
女性は嘘つきだ、と人は私に言う。
女性に固有の天分は、器用であることであって、嘘つきであることではない。
女性の本当の傾向からいえば、嘘をついているときでも嘘つきではないのだ。
なぜあなた方は女性の口からその考えを聞こうとするのか、口が語るのではないのに。
目、顔色、息づかい、怯えた様子、弱々しい抵抗、そういうものによって女性の考えを知るのだ。
口ではいつも、いいえ、と言うし、そう言うのが当然なのだ。
けれども女性がそれに与えている抑揚はいつもと同じではないし、この抑揚は偽ることはできない。
「女性が知っている力学は、人間の心を揺り動かすことになる。」
女性が知っている力学は私たちの力学よりずっと効果的で、その全ての梃子(てこ)は人間の心を揺り動かすことになる。
女性は、自分にできないこと、しかも自分にとって必要なこと、あるいは楽しいことを全て、私たち男性にさせる技術を知っていなければならない。
だから、女性は男性の精神、法律によってにせよ、世論によってにせよ、自分が従属させられている男性の精神を研究しなければならない。
彼らの言葉、行動、まなざし、身振りによって、そんなことを考えている様子を見せずに、自分にとって好ましい感情を彼らに起こさせることができなければならない。
「女性は観察し、男性は推論を行う。」
彼女らに比べて彼らはもっとよく人間の心を哲学的に考察する。
しかし彼女は彼らよりもっと良く人々の心を読み取る。
いわば、倫理の実験をするのが女性の仕事で、それを体系にまとめるのが私たち男性の仕事なのだ。
女性にはいっそう多くの才気があり、男性にはいっそう多くの天才がある。
女性は観察し、男性は推論を行う。
この協力から人間の精神が自分の力で獲得できるかぎりの明晰な知識と完璧な学問、一言で言えば、人間が到達しうる最も確実な認識がもたらされる。
まとめ
今回も引き続きエミールに知って欲しいルソーの女性感がまとめられた文でしたね。
男性は女性の仕草から察して本心を見抜き、女性は男性の行動を観察して研究する。
お互いに良い意味で気を遣うことが、お互いを知る手段だと述べています。
この頃もやはり男女間での感情が口に出るのか、行動に出るのかでの悩みがあったようですね。
いずれにしろ相手を考える気持ちを持つべきということを理解できました。
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