今では有名な観光地となっているノイシュヴァンシュタイン城やリンダーホーフ城を建てたルートヴィヒ2世。
今回はバイエルン王国君主という肩書を持ちながら、夢の国を追い求めた王様ルートヴィヒについて書いていきます。
ルートヴィヒの幼少期
バイエルン王国三代目の国王マクシミリアン2世もとに生まれたルートヴィヒ。
父のマクシミリアンは国王たる威厳があり厳格な性格だったため、王としての職務に重きを置いている人物でした。
幼きルートヴィヒは、弟のオットー1世や従者たちとともに幼少期を過ごします。
ルートヴィヒが9歳になると、父から徹底的な教育を受けることになります。
メルヘンに思いを寄せる
帝王学や政治学など次期バイエルン国王になるための教育を受けるルートヴィヒですが、本人にとってはそれが苦痛でしかありませんでした。
親の愛の代わりに彼が思いを寄せたのは、幼き日に従者と共に親しんだ中世騎士の伝説やゲルマン神話でした。
彼が15歳になると、ワーグナー作の騎士を主題としたオペラ「ローエングリン」に夢中になります。
幼き日に夢見た騎士の伝説や物語が目の前に現れたことに感動したのかもしれませんね。
18歳で王に即位
ワーグナーを宮廷へ!
1864年マクシミリアン二世が逝去。
それに伴いルートヴィヒ二世がバイエルン国王に即位します。
まず彼はローエングリンの作者であるワーグナーを探し出し宮廷に招き入れます。
実はこの時ワーグナーは、ドレスデンの五月革命に関与したとして追われる身となっていました。
ワーグナーにとってこのタイミングでルートヴィヒ二世に招かれたことは、正に奇跡だったことでしょう。
その後ルートヴィヒ二世は、ワーグナーに多額の財を分け与え、劇場やオペラ座を建て、挙句の果てには彼が作る借金を全て返済する程入れ込んでいました。
殻に閉じこもるルートヴィヒ
そうだ…城を建てよう…。
このままではバイエルン王国の財政が破綻すると考えたルートヴィヒの重臣たち。
ルートヴィヒに対して、ワーグナーと国民どちらを取るのかと選択を迫られ、泣く泣くワーグナーを宮廷から追い出すことになります。
さらに追い打ちをかけるように、常に親身であってくれた従姉のエリザベートまでもがオーストリア王ヨーゼフに嫁いでしまいます。
これらのことからルートヴィヒは、国務を放棄しシュタンベルク湖のベルク宮に引きこもってしまいます。
そこで考えたのは、幼き日に夢と騎士伝説でした。
彼は自分だけの城を建てようと考えたのです。
後編へ続く…。
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