長距離を移動する乗り物に欠かせない睡眠のお供アイマスク。
普段の生活で良質な睡眠を得るためにアイマスクを着用しているなんて人もいるのではないでしょうか。
そのアイマスクが、起きた後のコンディションに良い影響を与えるという研究結果が出ています。
Science Aleartの記事と研究内容からまとめていきます。
参考記事)
Wearing an Eye Mask While You Sleep Could Have Surprising Mental Benefits
参考研究)
Wearing an eye mask during overnight sleep improves episodic learning and alertness
アイマスクの影響
カーディフ大学では、18〜35歳の94人を対象に、1週間毎晩アイマスクを着用して眠り、その後、生活にどのような影響があったかを調査しました。
はじめの5日間は慣れるためにアイマスクを装着して寝るのみにし、6日目と7日目で認知試験が行われました。
また、さらにもう一週間はアイマスクを装着せずに同じように睡眠を取り、比較対象としました。
また、別のグループの18〜35歳の35人には、マスクの有無に関わらずウェアラブルデバイス(頭装着するヘッドバンド)を使用して睡眠を監視しました。
調査の結果、睡眠中にアイマスクを装着すると、新しい情報を学習することや、新鮮な記憶を形成することに効果的であることが示唆されました。
研究について
全ての参加者は、薬物及びアルコール乱用、心理的神経学的または睡眠障害の病歴の無い、健康的なボランティアでした。
また、これまでアイマスクを着用したことがなく、カフェインなど覚醒作用があるものを控え、実験当日には昼寝をしないことに同意しました。
研究デザインは以下の画像のようなイメージとなります。
・PAL=関連付け学習テスト
・PVT=精神運動警戒テスト
・MSL=運動技能学習テスト
それぞれの実験で、オンラインの睡眠日記を毎日記入し、スタンフォード眠気尺度を使用して注意力の報告を求めました。
スタンフォード眠気尺度(Stanford Sleep Scale)は、眠気の進行段階を定量化するために使用される自己評価尺度です。
また、それぞれの参加者は、調査の期間中、シャッターやカーテンを開けて寝るように求められました。
その結果は以下の通りです。
赤色がアイマスク装着時、緑色がアイマスクに穴を開けたコントロールマスク装着時です。
PAL計測では、アイマスク装着時の単語ペア関連タスクの学習パフォーマンスが向上し、単語の関連付けのタスクをより多くこなせたことが分かりました。
PVT測定では、アイマスク装着時の精神運動警戒パフォーマンスが向上し、反応速度が速くなったことが分かりました。
MSL測定では、大きな変化が現れず、睡眠後の運動パフォーマンスはコントロールマスク着用の方がやや好成績であることが分かりました。
これらの実験結果から、アイマスクを装着して寝ることは、翌日の新しい学習と注意力の両方を促進できることを示しています。
まとめ
・睡眠中にアイマスクを装着すると翌日のパフォーマンスが向上する
・集中力、注意力など、主に学習能力についての向上が認められる
睡眠は、免疫力の向上や記憶の整理のみならず、注意力を高め、人間の脳のパフォーマンスをより良い状態に保つために不可欠です。
睡眠は、光や音などの外部刺激によって中断される可能性があります。
睡眠中にアイマスクを装着することで、翌日の認知機能を向上させ、日常生活に良い影響を与えることが分かりました。
睡眠時は余計な刺激は必要ないということですね。
光を遮断することが効果的ということは、遮光カーテンなども同様の効果があると考えられますね。
もし朝スッキリ起きれないと感じているならば、アイマスクなどで外部の刺激を少しでも遮断すると、翌日の気分が違うかもしれません。
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