約40年前、イギリスの医師会は、組織も動物種も時期も違うはずなのに、共通した死に方をする細胞があることに気が付きました。
炎症や壊死なども起こらない綺麗な死に方でした。
後にプログラムされた死とも言われる“アポトーシス”の発見です。
以前紹介したオートファジーと並んで、人体の細胞活性に影響を与える機能です。
オートファジーについてはこちら▶オートファジーで空腹を幸福に!
なぜこのアポトーシスを今回取り上げたかというと、“生姜”が人に与える影響の中の一つに、アポトーシスの活性があることが分かってきたからです。
アポトーシスとは?
多細胞生物が健康を保つ上で、細胞が自ら死を選ぶ機能のことです。
生命が形作られるに当たって、指と指の間にあったはずの水掻き部分が消えそれぞれの指が形成されたりだとか…。
多量にあった神経細胞が必要な量だけ残り、その後の生命維持活動の基盤になったりだとか…。
身近なものだとオタマジャクシの尾の消失などが良い例です。
生物が生きるために必要の無い細胞が自ら死を選ぶことが分かっています。
【強い抗がん作用】
生体内では、有害な細胞や不要になった細胞もアポトーシスを起こすことが分かっています。
更に凄いのはがん細胞さえも消失させることです。
その強力なアポトーシスを活性化させるのが、生姜に含まれる“ジンゲロール”という成分。
ジンゲロールは、主に加熱していない生姜に多く含まれます。
ちなみに蒸したり、煮たり炒めたりするとジンゲロールがショウガオールという成分に変化します。
このショウガオールも抗酸化作用が強い物質として注目されています。
乳がん細胞においてはDNA複製時期で細胞分裂を止め、アポトーシスの誘導を引き起こしていることが報告されています。
しかし、作用機構が未解明の部分が多く、まだ研究段階のため、疾患治療法としては確立されていませんが、今後も生姜は健康維持のために継続して摂取すべきものだと感じました。
参考文献)
細胞の死2015年
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