万物は数字である~ピタゴラス教団~

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ピタゴラス教団は“万物は数字である”という教義のもと、世の中のすべてのことを数字によって証明しようとした集団です。

  

ピタゴラスがイタリアのクロトンにて立ち上げ、集団として多くの発見をしていきます。

  

ピタゴラスが発見した定理や思想は多くありますが、そのほとんどがピタゴラス本人というよりもピタゴラスを含めた団員たちが発見したものと言われています。

 

  

ピタゴラス教団への入団

ピタゴラス教団に入団するには、非常に厳しい条件がありました。

①入試

②財産

③沈黙

④秘密

主なものはこの4つです。

  

①入試

当時最先端の数学的知識を有したピタゴラスによって、最低限の知識を問う入試がありました。

入試とはいってもちょっと勉強しただけでは合格できないレベルだったそうで、教団の入試に合格することだけでもかなりの労力が必要でした。

  

②財産の共有

入試に合格すると、私財は全て教団に寄付する必要があります。

教団の掟のひとつに禁欲があり、欲を捨てれば金も必要ないという考えから寄付を強制しました。

財産は皆で共有し団員の生活や教団の発展のために使うという、共産主義的な思想があったのですね。

また財産を捨てることが、真理を追い求めるための良い姿勢だと考えられていたのです。

  

これにて入団は許されますが、その後も厳しい決まり事があります。

 

③2~5年の沈黙

入団後の2~5年間は、聴聞生として先輩の教えをひたすら聞きます。

意見は許されず、沈黙したまま先人たちの教えの理解に努めることになります。

 

④秘密主義

教団に入ると様々な知識が手に入ります。

しかしそこで得た如何なる情報も口外することは許されません。

もし口滑らせようものならその団員は死刑になるという厳しい掟がありました。

 

  

ピタゴラス教団の戒律

輪廻転生の思想を持つピタゴラス教団は、動物の心臓を食べることを禁じていました。

  

また太陽に向かって小便をしてはいけないという太陽崇拝主義的な戒律があったり、パンを切れ切れに引き裂いてはいけないなど非合理的な戒律も存在していました。

  

中でも謎だった戒律が、“そら豆には一切触れてはならない”という戒律です。

  

後の哲学者アリストテレスが、陰嚢に似ているから、冥界の門に似ているからなどいくつか推測しましたが、結局のところ謎のままです。

 

  

文武両道

厳しい掟がありながらも、真理を追究するために勉学に励む者にとってはとても居心地のいい場所だったそうです。

  

ピタゴラスはその長い勉学の中で、文武両道であることこそ学ぶ環境を作る第一歩と考えていました。

  

新しいアイデアを取り入れるために庭を散歩しながら草木や動物を観察したり、勉強の合間にスポーツをしたりと、現代でも推奨されている勉強法を推奨していたそうです。

 

  

ピタゴラスの定理の発見

  

目に見えない音階の規則を解き明かしたり、天体の動きを予測したりと様々なことを数字によって解き明かしていくピタゴラス教団。

  

あるとき直角な三角形のそれぞれ辺から正方形を作ったとき、ある法則を発見します。

  

  

それは、直角を挟む辺から作られる2つの正方形の面積(赤と青の面積)を足すと、斜辺の面積(紫の面積)と同じになるというものでした。

  

ピタゴラスの定理(三平方の定理)の発見です。

  

ピタゴラス個人が発見したとして現在でも知られていますが、実際はピタゴラス教団によって発見された定理です。

 

  

無理数の発見

「万物は数字である。

 

例え0.333333333…のように無限に続く割り切れない数でも、1分の3と分数にしてしまえばきれいに収まる。」

  

この教義のもと、ピタゴラス教団は世界は綺麗な数字で表すことができると信じていました。

  

あるときピタゴラスの弟子のひとりであるヒッパソスがこう言いました。

  

ヒッパソス(前500年頃)

面積が2㎡の正方形の1辺の長さはいくつになるのですか?

正方形の面積が4㎡の1辺の長さは2mになりますが、2㎡のときは一辺の長さはどう表せばいいのかをピタゴラスに問いかけます。

  

  

現在では√2のように記号を使うことで表すことができますが、当時はこれを計算で出そうとすると、割り切れる数字で表すことは不可能でした。

  

割り切れないだけならまだしも、1.41421356…不規則な数字が無限に続くため、分数にもできない数が現れたのです。

  

無理数の発見です。

  

ピタゴラス(前582~前496)

…殺せ。

世界は綺麗な数字で表すことができるという教義のピタゴラス教団は、この割り切れず、不規則に無限に続く数(無理数)の存在に薄々気付いていたものの、それを口にすることはタブーでした。

  

タブーに触れたヒッパソスは、教団の掟に従って船から海に投げ込まれて殺されてしまいます。

  

無理数などの綺麗でない数字を発見することは、ピタゴラス教団の思想の破壊に繋がってしまうのでした。

 

  

ピタゴラス教団の最後

ピタゴラス教団には、思想に共感するクロトンからの出資者がいました。

  

しかし政治的な競争の末、教団にお金を回すことができなくなります。

  

徐々に教団の力が弱まっていきますが、そこに追い打ちをかけたのはピタゴラス教団の入団試験に落ちた者たちでした。

 

逆恨みした落第者たちによって教団は焼き討ちにあってしまいます。

  

その結果教団は散り散りになり、ピタゴラス教団は事実上消滅することになってしまうのでした。

  


  

現在におけるピタゴラスや教団の教えや史実は、この散り散りになった元団員たちによって書き上げられたもので、実際にはもっと発見があったのではないかとされています。

  

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