古生代は生物が多様性を獲得し繁栄していた、およそ5億4300万年前から2億4800万年前の時代のことです。
カンブリア紀→オルドビス紀→シルル紀→デボン紀→石炭紀→ペルム紀と別れています。
これから、ペルム紀末期の生物の大量絶滅に至るまでの面白い古生代の生物を紹介していく予定です。
紹介するにあたり、この記事ではそれぞれの時代の説明とその頃の生物をピックアップしていきます。
記事は前半と後半に分けます。
まずは古生代の前半である、カンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀をまとめます。
カンブリア紀
カンブリア紀は古生代幕開けの時代です。
今から約5億4300万年前〜4億9000万年前までの5300万年間を指します。
それまで古代の生物は単純な構造を持つ単細胞生物が多く地球に存在していました。
しかしある時期の地層(バージェス頁岩)から、現在の生物に繋がる動物門が出揃った痕跡が見つかりました。
爆発的に生物が多様性を獲得したことから、この頃の出来事を“カンブリア爆発”と呼んでいます。
生物が多様性を獲得した理由は様々ですが、支持されている説として“光スイッチ説”があります。
これは、この時代に生物学上初めて、目を持つ生物が現れたことが原因とされる説です。
光を取り込む目の獲得が生存に有利だったことから、捕食者はより視覚(光の情報)によって狩りに特化した姿に進化。
被食者は警戒されるための見た目や身を守るための骨格を手に入れられるよう進化したと考えられています。
・その頃の生物
オルドビス紀
オルドビス紀は今から約4億9000万年前〜4億4300万年前までの4700万年間を指します。
この頃の海は現在よりも海面が100m以上高かったとされていて、広範囲に浅い海が広がっていたと考えられています。
グレートバリアリーフに見られるように、サンゴなどの動植物の骨格が積み重なった“礁(しょう)”の周りには多様な生物が生活しています。
カンブリア紀には微生物によって作られた、平面で単純だった礁がありました。
対してオルドビス紀では、海綿やウミユリ、床板サンゴなどが積み重なり複雑な礁が形成され始めます。
この生物の棲家が増えたことも、多様性の爆発に拍車をかけていったと考えられます。
この頃では細長い円錐形の殻をもつチョッカクガイ(現在のオウムガイの仲間)が現れはじめ、古くから存在する三葉虫は最も繁栄しました。
オルドビス紀の末期になると南極地点の氷床が発達し、寒冷化を迎えることになります。
寒冷化により陸地に氷が大量に蓄積し、陸地にのった分の海水の分だけ海面が下がることになります。
その結果浅い海で生きていた生物は大量に死滅。
急激な環境の変化によって実に85%もの種が絶滅に追いやられたとされています。
・その頃の生物
シルル紀
オルドビス紀に起こった種の大量絶滅の後、シルル紀が訪れます。
シルル紀は今から約4億4300万年前〜4億1700万年前までの2600万年間を指します。
シルル紀は地球史上でもかなり温暖な時期にあたり、大量絶滅後の生態系を大きく回復する時代でした。
この頃に繁栄していたのはウミサソリの仲間で、数十センチ〜2メートルに及ぶ種が海水、淡水問わず広く分布していました。
またアゴを持たない魚が現れ始め、後に攻撃や防御、後尾や子育てのために口(やアゴ)を利用する魚も繁栄するようになっていきます。
そしてクモやムカデのような生物が地面を這い回り、陸上の生態系が構築され始めた時代でもあります。
生物が陸上に上がってきた理由として、オゾン層の形成が考えられています。
太陽から地上に降り注ぐ有害な紫外線をオゾン層が十分に防げるできるようなったことで、陸上で生きていく選択ができるようになったという説が有力です。
・その頃の生物
【後編:デボン紀、石炭紀、ペルム紀へ続く。】
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