この前、“ダイヤモンドと黒鉛の違い”にて、黒鉛がくっついている理由に“分子間力”が働いていることを軽くお伝えしました。
今回はそんな分子間力ととても関係が深い、“テープ”についてまとめていこうと思います。
テープがくっつく=分子間力
身近で便利な分子間力に“テープの接着”があります。
モノとモノがくっつくには原子レベルで近づく必要があります。
こうすることで元素の間に電気的な引き合いが発生し、くっつくことができるのです。(分子間力)
どれくらい近づけば良いかと言うと1Åくらい。
・1Å(オングストローム)=1億分の1cm
髪の毛の太さの10万分の1くらいだそうですが、全くイメージできていないのはこれを書いている自分もそうです。
身の回りのモノがやたらめったらくっつかないのは、基本的に原子レベルで近づくというハードルをクリアできていないからです。
水とテープの分子間力
モノをくっつけるには原子レベルで近づけることができれば良い…。
これは水を使って簡単に再現することができます。
下敷きなど、凹凸の少なそうなもの同士を水で濡らすとピタリとくっついた経験はないでしょうか?
これは表面の凹凸の間を水を使って埋めることで、原子レベルで近づけたのと同じ状態を再現できているのです。
このように水を媒介として、+と-が作用しあってくっつくことができるようになります。
もちろん水では時間が経つと蒸発してまうため、この状態を維持することはできません。
その乾燥の問題を解決して生活に応用できるようにしたものがテープです。
テープの表面には、粘性と弾性の両方の性質があります。
・粘性=物をくっつける液体の性質
・弾性=剥がれないように固定する個体の性質
この2つの力のおかげで、テープは長い事ものを固定することができるのです。
太陽に晒されるなどしてパリパリになったテープに粘着力がないのは、粘性が失われてしまったことが大きな要因になります。
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