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【ギリシャ神話:ヘラクレス編⑫-1】最後の試練「ケルベロス」

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の続き…。

 

第十二の試練:ケルベロスを地上に連れ出す

常人では一つも成すことができないであろう試練を、ことごとく達成してくるヘラクレス。

 

エウリュステウスは、最後の試練として冥界にいるケルベロスを連れてくるように命じました。

 

・ケルベロスとは…?

冥界の王ハデスが主の怪物。

 

ご存じ、首が三つあり、竜の尻尾を持ち、背には無数の蛇が蠢く地獄の番犬です。

 

一つの頭が眠っているときは他の二つの頭が常に見張りをするという、一時たりとも不審者を見逃ささい番犬の鏡です。

 

母は…やっぱりエキドナ。

 

オルトロスやネメアの獅子、ヒュドラやスフィンクスなどの兄弟です。

ウィリアム・ブレイク作「ケルベロス」

 

冥界への渡し船

さて、ヘラクレスの最後の試練が始まったワケですが、冥界に行くということは人間の世界では死ぬことと同じです。

 

冥界に行ったとしても帰ってこれる保証もありませんがやるしかありません。

 

ヘラクレスは、使いの神であるヘルメスに頼み、生きたまま冥界の入り口まで案内してもらいます。

 

冥界の入り口で待っていたのは、あの世とこの世を分ける川の守り番であるカロン。

 

生きたまま冥界に行きたいという筋肉オバケの頼み(半ば恫喝)に驚き、彼を向こう岸まで渡らせます。

ホセ・ベンリウレ・イ・ヒル作「冥界の渡し守カロン」

流石は冥界、多くの死者の亡霊が彷徨っていて、ヘラクレスの姿を見ると一目散に逃げていきます。

 

逃げなかった亡霊は、ヘラクレスおじいちゃんに退治されたメデューサとカリュドンのイノシシ狩り(これとは関係のない別のギリシャ神話)に登場するメレアグロス。

 

戦うか!と身構えたヘラクレスにヘルメスは、

 

「あれは、亡霊だから害はありませんよ」

 

と言われ、漂う亡霊の姿をただ見つめていました。

 

いよいよ冥界の門を越えたヘラクレス。

 

奥地へ足を進めると、ある生きた人間に出会います。

 

それはかつてアマゾン遠征での仲間であり、ヘラクレスに続くある英雄の姿でした。

 

続く…。

 

次回:「死を待つテセウスとペイリトゥス」

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