食後の血糖値の上昇や内臓脂肪の減少、疲労回復など様々な効果があるとされている“お酢”。
その刺激的風味から多くの食品に使用される一方、苦手な方も少なくない調味料です。
しかし、そんな酢の効果として“うつ病の改善”があるのではないかと期待される研究が示されました。
今回のテーマとしてまとめていきます。
参考記事)
・Vinegar Has a Surprising Effect on Depression, Study Finds(2024/08/15)
参考研究)
酢がうつ病の症状を改善させる
アリゾナ州立大学が率いるチームは、毎日の食事に酢を取り入れることで、うつ病の症状が改善される可能性があることを発表しました。
彼らが行った研究では、酢を消費することの効果に加え、代謝活性についても調べました。
試験は、最終的に合計28人の肥満の成人を対象として行われました。
グループは2つに分けられ、一方のグループは1日2回大さじ2杯の赤ワイン酢を摂取し、もう一方のグループは、非常に少量の酢を含む錠剤を毎日服用しました。
実験は4週間行われ、途中で参加者はメンタルヘルス調査、うつ病自己評価尺度(CES-D)、その他のセルフチェックシート(PHQ-9)に答えるよう求められました。
CES-Dのグループ間に有意差はありませんでしたが、PH9-Qでは、酢錠剤を服用している対照群の18%と比較して、酢を多く摂取しているのグループの抑うつ症状が平均42%減少したたことが示されました。
また、酢を毎日摂取した参加者全体では、抗炎症作用のある栄養素ニコチン酸アミド(ビタミンB3の一種)の値が86%上昇したことが分かりました。
アリゾナ州立大学の栄養士ヘイリー・バロン氏は、「このデータは、4週間にわたる酢の摂取によってビタミンB3を由来とする代謝の変化が起こり、その結果としてうつ病の症状を改善した可能性がある」と述べています。
ただし、この研究には、サンプルサイズが小さく、患者のうつ症状が軽度であることこなどいくつかの注意点があります。
調査スコアを調整した二次分析では、PHQ-9で明らかになった症状の改善が、他のうつ病のパターンに当てはまるかは分からないとしています。
バロン氏らチームは、調査結果をさらに詳しく調べる必要があると言います。
また、研究者らは、「一般的に処方されている抗うつ薬は深刻な副作用をもたらす可能性があり、その有効性は大きく異なる。したがって、酢を摂取するなどシンプルで効果的な補助療法が確立されれば、患者への負担を少なく治療が行える」と述べています。
こういった研究は、睡眠の質から体温の変化まで、うつ病に関係があるとされているあらゆる要因を理解するために進歩し続けています。
明らかなのは、うつ病は個人によって大きく異なり、「この薬を飲めば大丈夫」といった画一的な治療法がないことです。
様々な治療法を知ることは、世界中に存在する洗剤的なうつ病患者の助けになるでしょう。
この研究はNutrientsにて詳細を確認することができます。
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