カレンデュラ(Calendula officinalis)は、古くからハーブとして利用されてきた植物であり、傷の治癒、皮膚の保護、炎症の軽減、さらには抗菌作用など、多様な効果を持つと考えられています。
生薬(薬用植物)の一つである金盞花としても知られており、利尿,発汗,瀉下、胆汁分泌などの効果が見込まれます。
今回のテーマはそんなカレンデュラを日常に取り入れた際の効果についてです。
どうやら、軽度の傷の回復促進、皮膚の乾燥防止、また皮膚の老化を遅らせたりする可能性が示唆されているようです。
以下に研究の内容をまとめます。
参考記事)
・What Happens to Your Body When You Use Calendula Daily(2025/11/28)
参考研究)
・An Updated Review on the Multifaceted Therapeutic Potential of Calendula officinalis L.(2023/04/18)
カレンデュラとは

カレンデュラは鮮やかなオレンジ色や黄色の花をつける植物で、ハーブとして世界中で用いられてきました。
特に花弁にはフラボノイドと呼ばれる抗酸化物質が豊富に含まれ、炎症を抑える作用や細胞ダメージを防ぐ働きがあるとされています。
また、皮膚を柔らかくするエモリエント効果もあり、軟膏やクリームなどのスキンケア製品に広く利用されています。
以下に、カレンデュラに関する主な効果を挙げていきます。
An Updated Review on the Multifaceted Therapeutic Potential of Calendula officinalis L.より
1. 傷の治癒を助ける
カレンデュラに含まれるフラボノイドは、抗炎症作用と抗酸化作用を持ち、これらが傷の治癒を促進すると考えられています。
2023年の研究では、乾燥したカレンデュラの花弁を用いた軟膏、抽出液、洗浄剤などが、軽度の感染症、擦り傷、打撲、火傷などの皮膚トラブルの回復を助ける可能性が示されています。
また、カレンデュラは皮膚を柔らかく保つエモリエントであり、肌の乾燥を防ぎながら修復を促します。(Anti-Inflammatory Activity of Calendula officinalis L. Flower Extractより)
そのため、帝王切開後の傷の治癒をサポートしたり、血流の悪化によって生じる静脈性下肢潰瘍の改善に役立つ可能性があると言われています。
ただし、これらの効果については研究の規模が小さく、エビデンスの確実性には限界がある点には必要です。
2. 抗炎症作用
カレンデュラは、体内で炎症を引き起こすタンパク質の作用を抑えることが知られており、そのため 抗炎症ハーブとして高い評価 を受けています。
炎症は身体を守る仕組みの一つですが、慢性的に持続すると免疫系や皮膚に悪影響を与え、さまざまな疾患につながる可能性があります。(Calendula in modern medicine: Advancements in wound healing and drug delivery applicationsより)
カレンデュラが改善に役立つとされる皮膚状態には次のものがあります。
• アレルギー性接触皮膚炎
• 白斑(Vitiligo)
• 酒さ(Rosacea)
• 肝斑(Melasma)
• 乾癬(Psoriasis)
3. 細菌性膣炎(Bacterial Vaginosis:BV)の改善
カレンデュラには、抗菌・抗真菌作用があるとされ、特に一般的な膣の感染症である 細菌性膣炎(BV) に役立つ可能性があります。(The effect of Calendula officinalis versus metronidazole on bacterial vaginosis in womenより)
BVは膣内細菌バランスの乱れにより起こり、かゆみ、灼熱感、痛みなどの症状を伴います。
研究では、カレンデュラが膣の表面を強化することで症状を軽減する可能性があり、一般的な治療を補完する方法として期待されています。
カレンデュラの摂取方法

カレンデュラは、漢方以外では以下の形で利用することが多いです。
• クリーム
• 軟膏
• ハーブティー
• 抽出液
• サプリメント(カプセルなど)
ハーブティーは花をお湯で煎じて作られ、抽出液は花と葉を利用して作られます。
標準化された用量は明確に定められておらず、使用する形態や目的によって効果が変わります。
例えば、クリームは1週間程度でBVの症状を改善する可能性がある一方、静脈性下肢潰瘍の改善には抽出液を30週間使用する必要があるとする報告もあります。
カレンデュラの安全性
カレンデュラは一般的に安全とされていますが、安全性に関する研究は多くなく、長期間の摂取に関するデータは限定的です。
特に注意が必要な人は以下の通りです。
• 妊娠中または授乳中の人:ホルモンや月経周期に影響を及ぼす可能性があるため
• キク科植物(デイジー、マリーゴールドなど)にアレルギーがある人:アレルギー反応を起こす可能性があるため
副作用についても強く言及されることは少ないですが、薬との併用によって以下の点が懸念されます。
• 鎮静薬と併用すると眠気が強まる可能性
• 降圧薬と併用すると血圧が下がり過ぎる可能性
一般に、サプリメントや薬を規定以上に摂取することは副作用のリスクを高めるため、医師の指示に従って使用することが重要です。
まとめ
・カレンデュラは炎症軽減や傷の治癒を助けるなど、多くの潜在的な健康効果を持つが、エビデンスに限界がある点は注意が必要
・妊娠中の人やキク科植物にアレルギーがある人は摂取や使用を避け、薬との併用は必ず医師に相談する必要がある
・サプリメントを購入する際は第三者機関による検査を受けた製品を選び、安全性を確保することが重要


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