このページでは、全29回にてまとめてきた「歴史を変えた心理学」の各記事をまとめています。
記事のタイトルと箇条書きの要約を載せているので、気になるテーマがあったら覗いてみてください!
- ①古代の医療と四体液説
- ②情緒を解き明かそうとしたモーズリーとダーウィン
- ③実験心理学の始まり
- ④フロイトと精神分析
- ⑤クレペリンと双極性障害
- ⑥パヴロフの犬と条件づけ
- ⑦カール・ユングと無意識
- ⑧アドラーの生い立ちとコンプレックスの克服法
- ⑨ピアジェと発達心理学
- ⑩クルト・レヴィンと心理学の場
- ⑪自閉スペクトラム症とサヴァン症候群
- ⑫闇深き小児科医ハンス・アスペルガー(前編)
- ⑬闇深き小児科医ハンス・アスペルガー(後編)
- ⑭B.F.スキナーと行動心理学
- ⑮スキナーの徹底的行動主義
- ⑯神経信号と電気システム
- ⑰マクレランドの欲求理論
- ⑱マズローの5段階欲求理論
- ⑲フェスティンガーの認知的不協和
- ⑳ヒューリスティックとバイアス
- ㉑脳がエラーを起こす10の認知バイアス
- ㉒命令であれば他人の命も奪える 〜アイヒマンテスト〜
- ㉓人の行動は立場と状況で変わる 〜スタンフォード監獄実験〜
- ㉔精神科医は偽物の患者を見破れるか 〜ローゼンハン実験〜
- ㉕アローン・ベックのうつ病テスト
- ㉖記憶に関する7つの罪
- ㉗接触が回数が多いと好意的になる 〜ザイアンス効果〜
- ㉘記憶は捏造される 〜フォールスメモリ〜
- ㉙心理学の再現可能性問題
①古代の医療と四体液説
・古代エジプトでは、心臓が健康の大元と考えられ、心の動きも心臓からくるものと考えられていた
・古代ギリシャごろになると、ヒポクラテスが病気は悪霊などの仕業ではなく、物質的なものによるものと主張した
・これによって四体液説が唱えられ、それまでスピリチュアルだった医学は大きな転回を迎えた
②情緒を解き明かそうとしたモーズリーとダーウィン
・モーズリーが「精神疾患は患者の情動症状によるものである」と主張し、“うつ病”、“躁病”、“不安症”が分類されるようになった
・ダーウィンは、動物の観察によって生態を明らかにしながらも、人間の情動にも関心をしめしていた
・彼らの活動によって、体と精神を切り離した考え方が形成されてきた
③実験心理学の始まり
・ヴントは「すべての生物に何らかの“精神”が備わっている」と考えた
・「外的観察」と「内的観察」という二つのタイプに区別して実験を行い、実験心理学が発展していった
・ジェームズとランゲはこの精神の動きを「笑うから楽しい」という視点で説明しようとした
④フロイトと精神分析
・フロイトは、「うつ病や不安、妄想といった精神疾患は、欲望や記憶から生じるのではないか」と考えた
・情緒の変化は、性的な欲求を通して様々に現れるとした
・また彼は、「イド」、「自我」、「超自我」といった概念を使って精神医学を発展させていった
⑤クレペリンと双極性障害
・クレペリンによって、双極性障害が他の精神障害とは異なることが明らかになった
・彼の研究によって双極性障害は男女に等しく現れることや、遺伝的に受け継がれることが分かった
・近年の理論は、脳にストレスがかかることや、ナトリウムチャネルなどの要因も考えられている
⑥パヴロフの犬と条件づけ
・ベルが鳴った直後にエサを与えることが習慣化された犬は、そのうちベルの音だけでよだれを垂らすようになる
・パヴロフが行ったこの実験は古典的条件づけと呼ばれている
・ソーンダイクは、猫を箱に入れて学習させ、満足のいく行動は行いやすく、不快な行動は起こしにくくなることを実験で示した
⑦カール・ユングと無意識
・ユングは、哲学者ニーチェの思想や精神科医ブロイラーとの出会いによって心理学的な思想が形成されていった
・彼は、古くからの神話や言い伝えなどを通して“集合的無意識”が形成されると主張した
・神話に現れる登場人物を“原型”と呼び、人格を形成する要因として考えた
⑧アドラーの生い立ちとコンプレックスの克服法
・アドラーは、過去の劣等感を克服することが、何かを成し遂げる原動力と考えた
・フロイトが、「なぜ人は争うのか」と考えたのに対し、アドラーは、「どうしたら争わずにすむか」を考えた
・過ネガティブな劣等感を嘆くよりも、コンプレックスをバネにして行動した方が、人生をより善く生きることができる
⑨ピアジェと発達心理学
・ピアジェは、子どもたちに対して知能テストを行っているうちに、特定の間違いが同じ年齢の子たちに頻発することに気づいた
・彼の観察から、成長するにつれて自分の欲求に対応するために行動や思考を用いるようになることが受け入れられていった
・感覚運動期、前操作段期、具体的操作期、形式的運用期という四つの段階があることを説明した
⑩クルト・レヴィンと心理学の場
・レヴィンは、個人と環境の関係を研究し、「心理学の場理論」を提唱した
・この“場”はB=f (P・E)という式で表され、B=行動、f=関数、P=人格、E=環境とを意味している
・レヴィンは、「物事が上手く進まないときは、場(環境)を変えると良い」と述べている
⑪自閉スペクトラム症とサヴァン症候群
・自閉スペクトラム症(自閉症)は社会的な交流や柔軟な思考が極端に苦手であったり、限定的な行動や反復行動がみられる病気
・この障害は、知覚されたものをカテゴリー化する力が弱いことに原因があると考えられている
・中には、知的障害や発達障害などを持ちながらも、特定の分野に突出した能力を発揮する者もいる
⑫闇深き小児科医ハンス・アスペルガー(前編)
・アスペルガーの生い立ちから亡くなるまでをまとめた記事
・アスペルガー症候群の子たちに対して、「社会に適応できる能力を身につけられる環境を提供するべきだ」と主張した
・また、ナチスの選民思想に抗って子たちを守った英雄として讃えられることになった
⑬闇深き小児科医ハンス・アスペルガー(後編)
・アスペルガーの死後、彼はナチスの虐殺計画に加担していたことが明らかになった
・治療の見込みがない子どもたちを虐殺施設に送ったことが分かり評価が一転することになった
⑭B.F.スキナーと行動心理学
・スキナーはげっ歯類や鳥類を対象に研究を行い、オペラント条件付けを発表した
・オペラント条件付は、報酬や罰に適応して自発的に行動を変えること
・世界大戦時には、この条件づけを利用した兵器も考案された
⑮スキナーの徹底的行動主義
・スキナーは、それまで重要とされていた“心や人格”などを排除した心理学を研究した
・彼は、「自由意志は幻想であり、人間の行動は過去の行動結果に依存する」と主張した
・私たちが行う行為は、報酬を求め、喪失を回避するように無意識に行動しているだけなのである
⑯神経信号と電気システム
・アラン・ホジキンらは、神経信号の働きを明らかにした
・戦後になると、神経伝達物質の発見や電位の検出技術の向上によって、神経細胞のメカニズムが分るようになってきた
・神経細胞による電気信号の伝達は、人間の心理を解明する手助けになるかもしれない
⑰マクレランドの欲求理論
・マクレランドの欲求理論は、個人の動機づけを“権力・所属・達成”という三つの欲求を単純化したもの
・それぞれ、以下のようにまとめられる
→他者に影響を及ぼし、管理しようとする欲求
→目標達成のために、努力を惜しまず行動しようとする欲求
→他者と良い関係を構築し、維持しようとする欲求
・上手く運営ができている組織は、人々の各自の欲求が満たされている
⑱マズローの5段階欲求理論
・マズローは、個人が満たそうとする欲求について、生理・安全・社会・承認・自己実現という5つの観点を主張した
・人は下位の物理的な欲求が満たされると、上位の精神的な欲求を満たそうとすることを示した
・また、5つの欲求を満たすと、6つ目の欲求として自己超越欲求が現れることを後に提唱した
⑲フェスティンガーの認知的不協和
・フェスティンガーは「退屈な実験」を通して認知的不協和を明らかにした
・認定的不協和は、納得できない状況が現れた際、無理やりにでも納得のいく理由を考えてしまうこと
・受け入れ難い事実を捻じ曲げて解釈してしまうのも、この心理的な作用によるもの
⑳ヒューリスティックとバイアス
・ヒューリスティック(ヒューリスティクス)とは、完璧な分析のもとで判断するのではなく、経験や先入観などの直感的に考えて判断する思考法のこと
・思考は、感覚的な思考のシステム1と論理的な思考のシステム2によって分けられる
・無意識や直感的な判断はシステム1が担っており、脳のエラーを引き起こすことがある
㉑脳がエラーを起こす10の認知バイアス
・脳のエラーを引き起こす10の認知バイアスをまとめた記事
・記事では、各バイアスに関係する例を使って説明
㉒命令であれば他人の命も奪える 〜アイヒマンテスト〜
・アイヒマン=ユダヤ人虐殺計画の責任者の一人
・ミルグラムは、人はどれだけ残虐になれるのかを実験で示した
・実験から、「普通の人でも、命令であれば人命を奪う選択もできる」ことが分かった
㉓人の行動は立場と状況で変わる 〜スタンフォード監獄実験〜
・ジンバルドーは、学生を「警備員(看守)」と「囚人」に分けて生活させた
・日が経つにつれて、看守は看守らしく、囚人は囚人らしく振る舞うようになった
・禁止されていた「暴力」が行われるようになったことから実験は中止された
・ただし、実験が全て自然に行われたものではなく、演出の疑惑もある
㉔精神科医は偽物の患者を見破れるか 〜ローゼンハン実験〜
・ローゼンハンは、当時の精神医学に疑問を持ち、いくつかの精神病院にニセの患者を送り込んだ
・精神病院はニセの患者を見破ることができなかった
・精神病院は、再度ニセの患者を送るように挑戦状を叩きつけ、19人の患者をニセも者と判断した
・しかし、ローゼンハンはこのとき一人もニセモノを送っていなかった
㉕アローン・ベックのうつ病テスト
・「理論を提唱した人の名声や評判によって理論の正しさが変わる」という風潮に疑問を持ったベック
・うつ病患者と接していると、自らを否定する言葉に共通点があった
・ベックはそれらの症状と統計を基に、うつ病患の度合いを判断するテストを考案した
㉖記憶に関する7つの罪
・シャクターは、記憶の保存とエラーについて研究し、「記憶に関する7つの罪」を発表した
・彼は、「記憶の欠陥は、記憶を上手く機能させるための代償のようなものである」と述べている
㉗接触が回数が多いと好意的になる 〜ザイアンス効果〜
・ザイアンス効果=馴染みのあるものを好んでしまう現象
・似たような商品が並んだ際、広告で見たことがある方を選んでしまうのもこの効果のせい
・広告では、これ以外にも様々バイアスが利用されている
㉘記憶は捏造される 〜フォールスメモリ〜
・フォールスメモリ=実際に起こっていない事柄を、起こったかのように信じ込む状態
・聞き方(誘導尋問など)によって、記憶が脚色されてしまうことがある
・実験では、同じ事柄だとしても、質問の仕方を変えることで回答も変わったことが明らかになった
㉙心理学の再現可能性問題
・「ヒトゲノム計画」の完了に伴い、「ブレイン・イニシアチブ」が始まった
・ブレイン・イニシアチブ=脳の構造や神経を明らかにするプロジェクト
・プロジェクトの進展による心理学分野の発展も期待されている
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