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絵画カテゴリーは引き続きフランシスコ・デ・ゴヤの黒い絵シリーズを紹介します。
今回はローマ神話に登場する神(サトゥルヌス)が我が子を喰らうシーンを描いた作品“我が子を食らうサトゥルヌス”です。
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ローマ神話はギリシャ神話の伝承から作られた物語です。
【ギリシャ神話→ローマ神話】
・原初の神ガイア→テラ
・天の神ウラノス→ウラヌス
・時の神クロノス→サトゥルヌス
・最高神ゼウス→ユピテル
・冥界の支配者ハデス→プルト
・海の神ポセイドン→ネプトゥヌス
…など様々な神がリンクしています。
サトゥルヌスは父であるウラヌスとの戦いの後、このような予言を受けます。
ウラヌス「お前が私にしたように、お前も自らの子によって破滅するだろう。」
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神の予言は絶対です。
これを恐れたサトゥルヌスは、後に産むプルト(ハデス)、ネプトゥヌス(ポセイドン)ら生まれてくる子供を次々に飲み込みます。
ゴヤの絵では我が子を噛みちぎっていますが、実際は丸呑みしたという解釈が通説です。
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そして最後のユピテル(ゼウス)だけは母の機転によって丸呑みを逃れます。
そしてユピテルVSサトゥルヌスの世界の覇権を争う戦いが始まっていくのです。
ゴヤは子供の肉体を噛みちぎる残虐なサトゥルヌスを描きました。
この絵を描き上げた頃のゴヤは77歳前後。
スペインの内乱という社会情勢の不安や、病気によって聴覚を失雨などの不運が重なった頃でした。
飲み込むという本来の伝承をねじ曲げてでも表現したこの絵は、彼の闇を深く印象付けます。
そしてこの絵は食事をする場所に飾られていたというのだから更に闇深い…。
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