の続き…。
前回のカンブリア紀からシルル紀に続き、それ以降の古生代の話になります。
この頃から陸上の生態系が出来上がっていきます。
まずは魚の時代と言われるデボン紀についての話しです。
デボン紀
シルル紀でアゴを獲得した魚たち(顎口類)が本格的に繁栄を迎えた時代、それがデボン紀です。
デボン紀は今から約4億1700万年前〜3億5400万年前までの6300万年間を指します。
サメやシーラカンスの仲間もこの時期に出現しました。
体も大きくなり、それまで生態系の弱小グループだった魚類の仲間たちが一気に海洋生態系の頂点に君臨しました。
彼らの中にはヒレを肢(あし)へと変化させ、陸地で歩行するように進化したものも現れます。
やがて肢は四肢となり、後の両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類といった脊椎動物へと繋がっていきます。
また、最古の樹木といわれるアーケオプテリスや巨大なシダ植物が群生することで、地球史上初の森林が現れました。
陸上での生態系が形作られるようになったデボン紀こそ、今の私たちの時代に生きる生物のはじまりとも言えます。
・その頃の生物
石炭紀
石炭紀は今から約3億5400万年前〜2億9000万年前までの6400万年間を指します。
石炭は古代の植物が腐敗する前に地中に埋もれ、地中で熱や圧力によって変質したものとされています。
この時代の地層から多くの石炭が産出されたことから、石炭紀と名付けられています。
この時代に石炭が多い理由として、植物が多い割にそれを分解する微生物が少なかったため、朽ちた植物が石炭という形で保存されたと考えられています。
そんな石炭紀の大森林にいち早く適応した生物が、今でいうところの昆虫です。
トンボの仲間であるメガネウラやゴキブリの仲間であるプロトファスマなど、生物史上初めて飛行する生物が現れたのもこの頃です。
昆虫の天敵である鳥類などが存在しなかったことや大気中の酸素が多かった(濃度約30%)ことなどから、彼らは体を大きくできたといわれています。
また、地上では両生類が繁栄し、乾燥に耐える鱗をもったり卵を産むことができる爬虫類のような生物が現れます。
これによって、生物の生息域は海から離れた場所にまで及ぶようになっていきます。
・その頃の生物
ペルム紀
ペルム紀は今から約2億9000万年前〜2億4800万年前までの4200万年間を指します。
この時代は地殻変動などによって地球上のほぼ全ての大陸が繋がった(パンゲア大陸が誕生した)時代でもありました。
内陸部は海から遠く離れるため、乾燥した地域が多く存在するようになります。
さらに石炭紀に形成された大きな氷床が発達し、乾燥と寒冷が進むというそれまでの生物に不遇の時期が訪れました。
これによって多くの植物が絶滅し、代わりに針葉樹などの乾燥に強い植物が台頭します。
地上では両生類が生態系の上位に立ちます。
体のサイズが大きいものや鋭い牙を持つものなど、両生類の中で様々な変化が見られるようになります。
爬虫類も多様化を見せ、水辺に適応するものや空を飛ぶものも現れます。
空を飛ぶ爬虫類が現れたことで、それまで楽園だった空を飛ぶ昆虫の時代に終わりが告げられました。
また、このペルム紀にて古生代最後の大量絶滅が起こります。
大規模な火山噴火によって、CO2をはじめとする温室効果ガスが大量に放出されたことが原因とされています。
地球温暖化による急激な気候変動によって、およそ90%の生物種が絶滅したとされています。
その後、大量絶滅を生き残ったわずかな単弓類や爬虫類が、恐竜の時代を作り上げていくことになるのです。
・その頃の生物
以上で古生代のそれぞれの時代のまとめは終わりになります。
みなさんはどんな時代の生物に興味を持ちましたか?
生存競争を勝ち抜き、度々起こる大量絶滅をも耐えきった歴史の上で今の私たちがあると考えると面白いですね。
ちなみに古生代全体をベースに人間の祖先を探ると、カンブリア紀に繁栄していた“ピカイア”にたどり着くとが分かっています。
そして生物学上ピカイアに一番近い生物が、現在の“ナメクジウオ”だそうです。
もしタイムマシンができたら、古生代の生物たちがどのように生きていたのかを観察してみたいです。
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