エドワード・ジェンナーの話に続き、ウィルスと免疫についての話になります。
彼が生み出したワクチンという概念が後世に与えた影響は、良い意味で計り知れません。
今回はそんな予防医学の中心で活躍する“ワクチン”の雑学について触れていきます。
ワクチン
ワクチンは体に病気と戦う準備をさせるものであり、大抵の場合毒素を弱めた病原体や死んだ病原体などで作られます。
体内の免疫系が毒素を弱めた病原体に出会うと、専用の抗体を作って退治します。
後に本物の病原体が体に侵入してくると免疫系は、以前に作った抗体を思い出し撃退することが可能なのです。
集団免疫
歴史においてワクチンは、天然痘をはじめ麻疹(はしか)やおたふく風邪、結核や風疹など致死率の高い病気から人類を守ってきました。
このワクチンの面白い特徴のひとつに“集団免疫”があります。
これは、病気から身を守るためにワクチンを接種した場合、全員がワクチンを打つ必要がないという現象です。
ある集団のうち一定の人がワクチンを接種すると、その人達がバリアとなって感染の拡大を防ぐことができます。
どれくらいの割合の人がワクチンを接種すれば良いのかは病気によって異なります。
多くの場合、9割の人が接種していれば全員がワクチンを打ったものと同等の効果を得られるとされています。
新生児や乳幼児など理由があってワクチンを接種できない人もいます。
そういった人に対し、同居する家族などがワクチン打って病気から守ることを、繭(コクーン)の名にちなんで”コクーニング”と言います。
ワクチンを打てる人がしっかり打って免疫をつけるということは、ワクチンを打てない人を守るためでもあるんですね。
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