健康

科学

腸内細菌と脳をつなぐ「第六の感覚」──最新の研究が明かす新たな神経経路の存在

近年、腸脳相関(または脳腸相関)という言葉をよく耳にするようになりました。 腸内細菌によって作られたセロトニンやGABAといった神経伝達物質が脳に作用するなど、腸と脳には密接な関係があるという事実も、近年明らかになってきました。 そしてこの...(続きを読む)
科学

石油・ガス井の近くに住む子どもたちは、珍しいタイプの白血病に罹りやすい

アメリカでは石油と天然ガスの採掘が広く行われており、その多くは住宅地の近くに位置しています。 そうした採掘活動が子どもたちの健康に及ぼす影響について、長年にわたり科学者たちは警鐘を鳴らしてきました。 そして今回、コロラド大学(アンシュッツキ...(続きを読む)
科学

エリスリトール(人工甘味料)が脳のバリア機能を混乱させる可能性がある

人工甘味料や代替糖への関心が高まる昨今。 多くの人がカロリー制限や糖質制限の一環として取り入れている「エリスリトール」という甘味料があります。 天然の果物や発酵させた食べ物から生成され、吸収されずに尿から排出されるという特性から、健康的に甘...(続きを読む)
科学

過敏性腸症候群(IBS)は消化器症状だけでなく性的なパフォーマンスにも影響する

過敏性腸症候群(IBS)の患者は、消化管症状だけでなく、うつ症状や性生活への影響も訴えることが知られています。 この度、イランのハマダン大学医学科学から、IBS患者の性機能、うつ症状、生活の質(以下QOL)を、うつ症状ある非IBS群および健...(続きを読む)
行動

「運動しても痩せない」は正しかった?──最新研究が示す肥満の原因

世界で10億人以上が抱える「肥満」の問題。 その最大の原因は、運動不足ではなく食事の内容にあるかもしれません。 2025年6月にアメリカ・デューク大学から、「肥満という世界的な病気の拡大は、主に摂取エネルギーの増加(食べすぎに)よって引き起...(続きを読む)
科学

「ほんの少しでも高いリスクに」疾病リスクを高める3つの食品

近年、世界中で糖尿病、心疾患、がんといった深刻な慢性疾患の増加が問題視されています。 これらの背景には食生活の乱れがあるとされ、特に「加工肉」「加糖飲料」「トランス脂肪酸」を含む食品の摂取が強く関連しているとする研究が相次いでいます。(Ul...(続きを読む)
科学

「BMIでは死のリスクを正確に測れない」──体脂肪率こそが健康を映す新たな指標か

長らく肥満や健康状態の評価に用いられてきたBMI(ボディマスインデックス)ですが、最新の研究はその信頼性に疑問を投げかけています。 アメリカ・フロリダ大学の研究チームは、BMIよりも「体脂肪率(Body Fat Percentage, BF...(続きを読む)
科学

アルコールをやめると体に何が起きるのか──1日から1年間の変化

アルコールが健康に与える影響には、私たちが思っている以上に多岐にわたるものがあります。 例えば、二日酔いによる頭痛や不安感といった短期的な症状から、がんのような長期的な健康被害までが含まれます。 近年では、「酒は百薬の長」という言葉とは裏腹...(続きを読む)
科学

慢性炎症が心の健康に与える影響とは?──英156万人調査で明らかになった「慢性炎症と感情障害」の深い関係

英国の国民的健康研究プロジェクト「Our Future Health」のデータを用いた大規模研究により、慢性的な炎症性疾患を抱える人は、そうでない人と比べて、抑うつや不安、双極性障害といった感情障害を経験するリスクが明確に高いことが示されま...(続きを読む)
科学

個人に「痩せろ、動け」はもう通用しない:肥満対策に必要なのは社会の制度(イギリスの国家食糧戦略)

今回紹介するのは、イギリスにおける肥満対策についての取り組みです。 イギリスにおいて、肥満が原因とされる糖尿病や肝障害などの健康被害、および医療費の増大は大きな経済損失となっており、早急な改善が必要とされています。 イギリス、日本ともにBM...(続きを読む)
科学

年齢に関係なく効果的──脳の健康を促進する3種類の運動

近年、運動が身体だけでなく脳の健康にも大きな恩恵をもたらすことが数多くの研究から明らかになっています。 とりわけ、HIITといった「激しさを伴う運動でなければ意味がない」と思われがちな中で、穏やかな運動でも認知機能や記憶力に有効であることが...(続きを読む)
科学

老化による炎症は自然な現象なのか?──先住民との比較から判明したこと

長年にわたり、老化に伴う慢性的な炎症(inflammaging)は避けられない現象であり、心臓病や認知症、糖尿病など、さまざまな疾患の温床になっていると考えられてきました。 つまり、年齢を重ねるごとに体内で静かに進行する免疫システムの過剰反...(続きを読む)
科学

砂糖は「食べるより飲む方が危険」──最新研究が示す甘い飲み物の摂取リスク

今でにも何度も取り上げてきましたが、砂糖の過剰摂取が健康に悪影響を及ぼすことは、すでによく知られている事実です。  2025年に発表されたブリガムヤング大学による新たな研究レビューによると、「どのくらい砂糖を摂るか」よりも、「どのように摂る...(続きを読む)
科学

「加工肉に安全な摂取量は存在しない」──大規模レビューが示す食の安全

私たちはこれまでにも、加工肉の過剰摂取が認知症や二型糖尿病、大腸がんなどの疾患と関連しているという研究結果を目にしてきました。 しかし、「どの程度の摂取ならば安全なのか」という問いに対しては、明確な答えが示されていませんでした。 今回、アメ...(続きを読む)
科学

アルツハイマー症状の進行を遅らせる「深い眠り」の力

アルツハイマー型認知症は、記憶力や認知機能が徐々に失われていく「認知症」のなかでも最も一般的なタイプです。 全世界で数百万人がこの病とともに暮らしており、加齢とともにそのリスクが高まることが知られています。 しかし、私たちが日常生活でできる...(続きを読む)
科学

動画の早送り視聴は脳に悪い?記憶への影響を科学的に検証

デジタル環境したことで、タイパ(タイムパフォーマンス)という言葉が浸透してきた現代。 ポッドキャストや講義動画、はたまた映画などを通常より速い再生速度で視聴・聴取することは、もはや珍しいことではありません。 特に若年層では、1.5倍速や2倍...(続きを読む)
科学

食事と運動、生活習慣が遺伝による二型糖尿病リスクを上回る可能性

糖尿病、とりわけ二型糖尿病は、世界中で増加の一途をたどっている重大な健康課題です。  その主たる原因は、食生活の乱れや運動不足といった環境要因が関与する一方、近年では「遺伝的素因」も病気の発症に強く関わっていることが遺伝子研究によって明らか...(続きを読む)
科学

加工食品やジュース……無機リンの摂取が健康や老化に与える影響とは?

2020年9月30日、栄養学専門誌Nutrientsに掲載された論文にて、必須ミネラルの一つであるリン(phosphorus)と骨の健康維持や老化プロセスに与える影響に対するレビューが報告されました。 論文は、イェール大学に所属するJuan...(続きを読む)
心理学

腸内環境を整える鍵は「運動」にあり──科学が示す新たなアプローチ

腸の健康を保つには、食事やサプリメントだけでなく、運動も欠かせない要素であることが最新の研究で示されました。 腸は体の中でも「鍛えることができる器官」であり、適切なトレーニングによって腸内細菌叢の多様性が高まり、炎症や疾患のリスクを低下させ...(続きを読む)
科学

朝早めの朝食が二型糖尿病リスクを低下させる──大規模調査によって示唆

二型糖尿病は世界的に患者数が急増している慢性疾患であり、今後もその傾向は続くと予測されています。 そんな中、ISGlobal バルセロナグローバルヘルス研究所による研究から、「早い時間に朝食を摂ると、二型糖尿病の予防につながる可能性がある」...(続きを読む)
科学

カフェインが老化を遅らせる細胞スイッチに関与

朝の眠気覚ましや午後の集中力回復のために多くの人が愛用するカフェイン。 その覚醒効果はよく知られていますが、最近では健康的な老化との関連性にも注目が集まっています。 こうした背景の中、ロンドン大学クイーンメアリー校とフランシス・クリック研究...(続きを読む)
科学

コーヒーの健康効果は「クリームと砂糖の量」で変わる:初の大規模疫学調査より

朝の目覚めに欠かせない存在として、多くの人に親しまれているコーヒー。 そのほろ苦い一杯には、単なる覚醒作用を超えた健康効果があることが、これまで多くの研究で示されてきました。(各研究はコーヒーと論文要約の記事にて) 特に、二型糖尿病や心疾患...(続きを読む)
科学

猫に寄生する原虫が脳機能に深刻な影響を与える可能性

猫を最終宿主とすることで知られる寄生性の原虫Toxoplasma gondii(トキソプラズマ・ゴンディ)が、感染した宿主の脳内において深刻な神経機能の混乱を引き起こす可能性があることが、カリフォルニア大学リバーサイド校の研究によって明らか...(続きを読む)
科学

夜型は認知機能の低下リスクになる可能性──学歴が高い人ほど影響が強い背景

私たちはそれぞれ、朝早く起きて活動する「朝型(early bird)」と、夜遅くまで起きていることが多い「夜型(night owl)」という、生物学的な睡眠の傾向を持っているとされています。 オランダのフローニンゲン大学の研究チームが主導し...(続きを読む)
科学

ゆっくり食べることと体重管理の関係性

食事のスピードを意識することが、体重管理や過食の予防に大きく関係しているということが、最新の研究によって示されました。 これまでにも、「ゆっくり食べることが体に良い」とはよく言われてきましたが、その理由や具体的な方法は、はっきりとした科学的...(続きを読む)
科学

たった一晩の睡眠不足が「食欲」を暴走させる

寝る時にベッドの中でスマホを操作しているとついつい夜更かししてしまう……、といった経験は誰しもあるでしょう。 時には仕事のメールに返信したり、時には好きな動画を「もう少しだけ」と使用し続けてしまうこともあるでしょう。 そういった夜を過ごした...(続きを読む)
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