銅
あらゆる金属の中でも銅は、最も長く深く人類に関わった金属と言われています。
1万年以上前には銅から作られた装飾品が存在し、そこから5000年も経つとスズとの合金である青銅が作られるようになります。
強度もあり加工のしやすい青銅の登場によって、刀や鎧など武器・防具の開発、鏡・銅貨など文化面でも発展を遂げることとなりました。
銅は金・銀などのよりも豊富な種類の化合物を形成し、さまざまな銅鉱石として産出します。
中でも黄銅鉱や赤銅鉱、藍銅鉱や孔雀石などが有名です。
10円のような銅が多く使われた製品は、湿った空気中に触れ続けていると緑がかった色に変色します。
これは表面に“緑青(ろくしょう)”という銅特有のサビによるものです。
このサビ(酸化膜)によって内部の侵食を防いでいます。
銅の由来
銅を英語でCOPPER、ラテン語ではCUPRUMと表されます。
これはキプロス島の鉱石という意味があります。
古代ローマ時代最大の銅の輸出国がキプロス島だったため、この名前がつけられました。
武器にも使われた銅ですが、その使い道の多くはお金として使われたそうです。
イオン化傾向と人類
金より銀、銀より銅、銅より鉄、鉄より亜鉛…。
長い歴史を紐解くと、人類はイオン化傾向の小さい金属から活用されてきたとされています。
イオン化傾向とは、書いて字の如く“イオンになりやすいかどうか”の序列のようなものです。
イオン化傾向が小さいほどそのまま金属の状態を保ちやすいと思ってくれれば良いです。
金は金のまま安定しやすく、亜鉛は別の物質と反応しやすいという感じです。
人類が早くから金を利用していたのは、自然界でもそのまま金として残っていることがほとんどだったからなのですね。
後に銀や銅が金属として認知されるようになると、金属の加工技術上がったことによって、装飾品や武器、貨幣として使われるようになりました。
銅の電気精錬
昔から使われてきた銅ですが、培われてきた電気の技術を使ってさらに銅をレベルアップさせることができます。
粗銅(純度99%)を純銅(純度99・99…)に変えていくのです。
鉄や亜鉛や金など不純物が混じった粗銅と純銅を硫酸銅水溶液に入れ電気を流すことで、銅の単体を純銅にへばりつかせることができます。
銅の電気精錬の基礎については某家庭教師サイトの動画がとても分かりやすいです。
銅の色
銅や金は他の金属とは違い例外的に色がついています。
日本でも昔から鉄を黒金(クロガネ)、銅を赤金(アカガネ)、銀を白金(シロガネ)と言って区別してきました。
特に銅は合金と混ざることで多くの多彩な色の変化が見られ、それぞれに特徴的な名前がついています。
・レッドブラス(赤味がかった黄銅)
銅+亜鉛合金=丹銅
・ブラス(イエローブラス)
銅+亜鉛合金=黄銅(真鍮)
・ブロンズ
銅+錫合金=青銅
・キュプロニッケル(赤みを帯びた白色)
銅+ニッケル合金=白銅
・ニッケルシルバー
銅+ニッケル+亜鉛合金=洋白
金管楽器で構成された演奏グループのブラスバンドは、楽器の素材が真鍮(ブラス)であることが由来になったと言われています。
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